第2章 Lupine あなたは私の安らぎ
「はぁ~い!!カズサ、リッヴァ~イ!飲んでる?!」
「来やがった」
うんざりといった態度を隠すことなく、ハンジさんを見るリヴァイさん。
「まーた、そんな顔してさぁ、そもそもカズサと・・痛っ!マジいってぇ~」
たぶん、ハンジさんのすね辺りに何かがあったらしい。
「フーンだ。覚えてろよっだ!」
捨て台詞を残してハンジさんは別の席へ走っていく。
「モブリットはどこで何してんだ。ったく」
なんだかんだ言って仲良しなんだよね。
「やあ、カズサ。おめでとう」
エルヴィンさんが微笑みを浮かべ声をかけてくれる。
「おい、エルヴィン」
「ああ、すまない。悪気はないんだ、そう睨むな」
どうやらエルヴィンさんがわたしの肩に触れたのが気に入らないらしい。
「しかし、カズサ。こんな束縛と嫉妬の固まりのリヴァイだといろいろと大変だろう?」
「いいえ、愛情表現ですから」
途端に得意げに口角をあげるリヴァイさんは「お前に口説かれる女共とカズサは違うんだよ」と返す。
参ったな、とさほど困ってはいないようなエルヴィンさんは「こう惚気られると羨ましくなるからね」と言って幸せにな。とリヴァイさんと私とグラスをあわせて飲み、ピクシス副社長の所へ行った。
「帰りてぇ」
「そんなこと言って。もう。」
顔を見合わせているとそろそろとリヴァイ班のみんなが来て、オルオさんの背中を押している。
「リヴァイ課、部長!!俺はいつまでも部長の部下ですか、グフッ…」
噛んだ。いつかオルオの舌がなくならねえか心配だ。
部下思いのリヴァイさんが言ってた。思い出すと笑ってしまってオルオさんにカズサ、お前ー!と怒られたが次の瞬間にはショボンとしている。
横にいるリヴァイさんを見るとちょっとだけキツい目をしてるのが効いてしまったらしい。
それをエルドさんとグンタさんは笑ってるけどペトラは「バカね」と言いつつハンカチを渡している。
こっちも仲良しなのだ。
席から立ち、「いろいろとありがとうございました。皆さんのおかげで今のわたしがあります」とお辞儀をすると「そんなことしないでいいから!!」と頭を上げて!と慌てている。
でも、本当にあの時も今もずっとリヴァイさんとみんながいなかったら、わたしはこの場にいない。