第2章 Lupine あなたは私の安らぎ
「では、二人の門出を祝って。乾杯!!」
週末、リヴァイ班のみんなにハンジさん、エルヴィンさん、をはじめに会社の有志とあと…入社式にしか見てないピクシス副社長も揃って各々のグラスを高くあげる。
リヴァイさんはいつも通りみたいに見えるけど表情はとても柔らかい。
突然のことだらけだったけど、最近の突然のことはリヴァイさんが昇進したこと。
「また内示が出やがった」
えっ?!なに?今度はなに??
「肩書きが増えた。ちっ、仕事も増えるだろうが…少しは気を使いやがれ。あのジジイ」
いまいち見えない話しに首を傾げると、ソファに座っている隣をポンポンとたたく。
リヴァイさんの『隣に来い』サインだ。
詳しく聞くと、どうやら課長からManagerつまり部長になるということらしい。
「すごい!昇進じゃないですか!」
「それはそうだが。ピクシスのジジイがな、”向こうでも馬車馬のように働いてこい”だと言ってな。仕事はやりやすくなるんだが」
チラッとわたしをみて、「仕事が増えたらその分カズサとの時間が削られるだろ。カズサに愛想尽かされたらどうすんだ」
思わず笑ってしまうと真剣な顔で笑いごとじゃねえぞ。と凄まれてしまった。
内示の意味があるのかと思う程にすぐ役職についての辞令発令があり、お祝いの言葉やお品を頂いているけど本人は面倒だ。と憎まれ口だ。でも本当は昇進そのものでなく、祝ってくれる人達がいることに感激している様子。(言葉にしないし、態度にも出にくいんだけど)
そんなこんなで二人とも忙しなく過ごしていたが、出発日も迫り、お祝いにみんなで飲み会することになった。
そしてピクシス副社長の音頭で飲み会が始まった。
「今夜は無礼講じゃ、遠慮せずに飲むといい!!」
太っ腹な宣言にハンジさんの喜びの声、(リヴァイさんは雄叫びと表現していた)あちらこちらからも、グラスをカチンとあわせる音が聞こえてくる。
にぎやかに宴は始まり、楽しそうな雰囲気の中、どこかリヴァイさんは眉間にしわを寄せ不機嫌に見える。
不思議に思っていると「お前、、絶対に俺から離れんなよ」と注意を受けた。
「だって、ピクシス副社長にお礼と挨拶にも行きたいですし…他の方にも」
「そんなんはどうでもいい、どうせ向こうから来る」