第2章 Lupine あなたは私の安らぎ
「そーんなリヴァイがやっと大好きで大好きで仕方ないカズサと結婚までできたんだから人生って本っ当にわかんないよね〜!ねっ、リヴァイ!!」
とても嬉しそうにハンジさんはニカッとリヴァイさんに笑顔を向ける。
「ちっ、しゃべりすぎだ。酔っ払い」
「おおっと、相変わらず口が悪いねー!じゃ、カズサがいつリヴァイのこと好 」
後ろからモブリットさんがハンジさんの口を手で覆ったのでモゴモゴと唸っている。
「あなた、本当に喋りすぎです!!おちおち飲むこともできないじゃないですかっ!」
笑いの渦が広まっていくなか、テーブルの下で指が絡む。
「なぁ、あとでちゃんと教えてくれよ?」
「な、何を?」
「さぁな。俺が教えてもらうんだからな」
ニヤリと笑っている。これは絶対に白状しろパターンだ。
「二次会行く人はこっちー!」
三次会までありそうな勢いのみんなはそれぞれ、はぁーい!と集まっていく。
「カズサ、帰るぞ」
えっ、と反応が遅れると腕を掴んで反対側へと歩き始める。
「あー、リヴァイ!ちょっとあなた!!」
「悪いな、割と限界だ。先になる」
咎める顔が優しい笑顔になって「仕方ないなぁ。じゃ、みんな行くよー!!」「おおおー!!」と勇ましい返事で二次会に行ってしまった。
※※※
「カズサ、すまん。待たせた」
「そんなに待ってないですよ、それより大丈夫でした?」
「ああ」
「ふふ、お疲れ様です」
リヴァイさんはザックレー社長に呼び出され、空港には別々で待ち合わせになった。
「あのザックレー、戻った時には隠居してりゃ助かる」
不思議に思ってるとくだらねぇぞ。と前置きしてから用件を聞かせてくれた。
『「無事、到着したら連絡しろ」』
さすがに空いた口が塞がらなくてポカンとしていると「一人にして悪かった」と何故かリヴァイさんが謝っている。
「あっはは!リヴァイさん、愛されてますね」
「『嫁を大事にしろ』だと。当たり前だろうが」
きっとリヴァイさんを心配しているんだと思う。
やり方はどうか、と思うけど…
これから二人で違う国で暮らす。
でも不安はない。この先が楽しみで仕方ない。
何があっても、いつだってあなたはわたしの安らぎで。
そして、わたしもあなたの安らぎになれると知ってるから。
Fin.