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【進撃】中・短編 【リヴァイ】

第2章 Lupine あなたは私の安らぎ



ちくしょう、エレベーターが遅い。
まさか、出ていってたりしねえよな?いや、電気はついてた。早く、早く



「はあ、」無意識にでてくるため息はもう数え切れない。
(これ以上、迷惑かけたくないし、なにより課長の傍には……)


ガチャガチャ、ピー。バタン!

「えっ!!」


乱暴にドアノブを動かす音に続いて間を置かずにドアが開く。
驚いてドアからの廊下を見ると息を切らしたリヴァイは肩を上下に揺らしている。

「か、課長?」

あまりの勢いに気まずいといった感情よりも一体どうしたのか、と心配になる。


「カズサ、昨日は悪かった。俺が臆病なばっかりにお前を泣かせた」

「あ、それは…私が勝手な…」

「カズサ、好きだ。どうしようもなく好きなんだ」


課長は今なんて言ったの?え、だって、

邪魔そうに鞄を放った、と思った時には課長の腕の中

まるで、課長もわたしの

「好きだ、ずっと好きだった」

だって、きのうは

「聞かせてくれ。カズサは?」

「ちゃんと昨日言ったじゃないですか!」

「もう一度聞きたい、頼む」

「リヴァイ課長、好きです、大好きです!」

肩の上から安心したような大きなため息が降ってきた

「俺はもう、お前のこと手放さねえぞ。これからずっとだ。それでもいいか」

さっきまでの憂鬱と悲しい思いが一瞬で消えていく。

腕の中で泣いていると泣くな、泣かれるとどうしたらいいか、わからなくなる。ギュギュッと強く抱きしめられ課長の早い鼓動が聞こえる。


やっと涙がとまると急に両肩を掴んで二人の間に距離をあける。寂しいと感じた、その時。


「結婚するぞ」

ついさっき気持ちを確かめたばかりで恋人期間を飛ばした宣言に驚いていると「ずっと一緒に暮らしてたんだ。あれは同棲だ。社内でもずっと一緒だったろ、次は結婚だ」

突然のプロポーズに戸惑っていると不安そうに「嫌か?」と課長の瞳が揺れる。

「いや、じゃなくて展開が速すぎて」

「わかってる、だが海外赴任はこれ以上延ばせない。海の向こうでカズサに集る虫がいると思うと俺が耐えられん」

「それに…赴任には妻、家族しか帯同できねえんだ。指輪も何も用意してないが…YESと言ってくれ」

いつの間にか膝まづいて左手の指にキスをする課長。

ああ、わたし、この人が大好き。



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