第2章 Lupine あなたは私の安らぎ
「カズサの気持ちが一過性なら簡単に応えるのは俺のエゴに過ぎない」
「…同居していてカズサを理解してない課長って女々しいし失礼ですが馬鹿を通り越してますね」
「はぁ。ダメだ、仕事できてもそれまでの奴か」
「お前の言い分は怖いだけだろう」
三人からの辛辣に続く言葉の暴力に耐えられず黙ってしまうとハンジが「というか、貴方の気持ちはどうなんだよ?本音で話しなよ」
「……俺はカズサを好いているし、もし、もしもだ。カズサが本気なら俺は手放せない」
「課長は自信がなくて、傷つきたくないだけじゃないですか」
「リヴァイ、お前は一時の気の迷いかも知れないとしきりに言っているが…そうならカズサに一生惚れてもらうように努力と愛情を注げば解決じゃないか。何を迷っているのか俺にはさっぱりだ」
「……」
「じゃあさ、カズサが他の男にとられても構わない?あなたが自分の気持ちを伝えなきゃいずれはそうなるよね」
「帰る」
「さっさと帰ってください」
「あ〜。勿体ない時間だった」
「正直な気持ちを伝えろ。本当に愛想尽かされるぞ」
ひったくるように自分の鞄を取って走る一歩手前で店を出る。
早く、早くカズサに会いたい
「もう面倒くさい。わかり切ってることをウダウダと。まったく馬鹿だ」
「あの…勢いで課長に上司にひどいことを言ってしまったんですがわたし、どうしたら…」
「大丈夫、大丈夫。あのくらいどってことないし。そもそもリヴァイがウジウジしてんのが悪いからね」
「しかし、あいつは一途過ぎるというか…」
「笑っちゃうよね!良からぬ男は排除しようとするし残業ばかりで疲れてやしないかとか、裏で仕事押し付けてた子達に圧かけたりしちゃってさぁ!」
「え、あのいつから課長は…」
「結構長い間、片想いしてるよ。確か入社して少し位からだから」
「ペトラの言う通り女々しいところがあるんだよ。リヴァイはな」
「ほんと、ウケるよね!ところでみんなで恋バナでもしちゃう??」
「ハンジ、止めろ」
「あっははは!エルヴィンは叩くと埃がでるからねぇ」
「ペトラ、ハンジの言うことは真に受けないように」
「え、マジであなた手が早いじゃんか。リヴァイと反対だよねえ」