第2章 Lupine あなたは私の安らぎ
まず、不機嫌なペトラが到着しハンジはいつもの調子で来た。エルヴィンは少し遅れると連絡があり、揃ってから本題に入りたいと取り敢えず酒は頼むなと釘を刺してからメニューから適当に選べと言うとハンジは大喜びであれこれ注文し始めた。
30分程度でエルヴィンも到着し、テーブルに広がる皿に祝いの席か?と明後日の方向に勝手にいこうとするのを座らせ、早速本題に入るはずだった。
「課長、なにしたんですか?」
怒っていると全身で示すペトラが口火を切った。
「今日一日カズサ、様子が変でした。聞いても話してくれないんですが、絶対に課長のせいですよね」
疑問形でもなく確信をもっている、話しぶりだ。
「え、なに?リヴァイ。貴方カズサ押し倒したの?」
「うん?嘘から誠になったのか?目出度いじゃないか」
勝手に進んでいく会話に頭を抱えながら昨夜のことを詳らかに話した。
話が進むにつれてペトラはプルプルと震え、ハンジはニヤニヤとして、エルヴィンは顎に手を添えている。
「課長、案外馬鹿なんですね」
辛辣なペトラの言葉に怯んでいると今度はハンジが「あー、あなたそういうとこ鈍いし考えすぎてダメダメだよねー」
頼みの綱のエルヴィンも「女性がここまで気持ちをはっきりと伝えているのに情けないな」と全員で口撃してくる。
俺の言い分を言うと三人は揃って余計に呆れたという風な空気だ。
「本当に気づいていなかったんですか?」
「というか、貴方自身はどうしたいの?」
「今の状況でカズサを一人にしてるのか」
俺の苦悩を理解してくれるのは誰もいない。