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【進撃】中・短編 【リヴァイ】

第2章 Lupine あなたは私の安らぎ



いつものように一緒に出社し、俺はすぐにエルヴィンに状況、ゼインが襲ってきたこと、すべてを報告した。

エルヴィンは昨夜のうちに常務から泣きつかれたそうだが、いくら身内でも犯罪を庇うことはできないでしょう。と朝一番でピクシスの爺さんに今回の件をあげたらしい。それも常務が横領している証拠と共に。
これでゼインもその後ろ盾も失脚した。
後はゼインと常務に媚を売るしか能のない営業部長、課長らも自主退職か降格を余技なくされた。

ことを荒立てた俺もそれなりの処分を覚悟はしていたがピクシス爺さんにしてみれば「力を尽くして弱い立場の女性を守り結果、会社を食い物にしていた連中を追い出すのに一役買ったお前さんを処分する理由があるなら教えてくれ」とお咎めなしの結果になった。

それからは警察や、裁判と普通ならお世話にならないところに呼び出されて疲れたがそれはカズサも一緒だ。

ゼインは一番重い傷害で逮捕になった。
これでカズサの危険は去ったと思っていいだろう。


残りは俺自身の問題だけだ。

「なあ、ちょっと真剣な話しがあるんだが」

リビングで切り出すとカズサは神妙な態度で向かい側に座った。

「以前、言ったこと覚えているか」

キョトンとしているカズサが愛おしい。

「お前さえよければ、そのままここに住んで欲しいって言ったことだ」

え。でも。と煮え切らない返事をするカズサにできるだけ優しく説明する。

「内示が出ててな、海外赴任が決まっている。だから」

「!海外赴任っていつまでですか?どうしてそんな大事なことを黙って」

冷静さを失っているカズサを落ち着かせ内示自体はだいぶ以前から出ていたこと、もう引き受けていること、いつまでなのかは未定だと一つずつ話す。

「それじゃ、課長とお別れなんですか?もう傍にいないって」最後は泣き声でうまく話せてない。

「私、わたしはなにも知らないで、それなのに」

待て待て、どういう意味だ?

「課長の傍がいちば」

本当に待ってくれ。俺の頭も追いつけてない。

「行かないで!!!」

泣き声は叫ぶようになっていて俺はこんな時どうしたらいいかが、わからない。俺は自惚れてもいい、のか

「かちょ、課長にしてみればただの部下でしかないのはわ、わかってますっ!でも、わた」

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