第2章 Lupine あなたは私の安らぎ
簡単に報告を済ませ、詳細は社内のエルヴィンの執務室で行い、その後事情聴取を受けに行くことでメッセージのやり取りは終了した。
リビングに戻ると四人で食べるには少々多めだったはずの寿司はなくなっていた。代わりに腹を擦って満足そうなハンジが寛いでおり一目でわかった。
「おい、クソメガネ。確認したいんだが、」
「え、リヴァイの分?ないよっ」
いっそ気持ちいい程の返答に「そうか」と答えるとカズサが、「お寿司には敵いませんが何か冷蔵庫にあるものでお作りしましょうか」と嬉しい提案を出してきた。
心の中で邪魔をするなと念じながら軽食を頼んだ。
時刻は遅く、ハンジはともかくペトラは泊まっていくことになった。着替えはカズサのものを着ておけばいいし、明日、早い時間にオルオに自宅へ送らせてから出社すればいいとなった。
カズサは手際よく軽食を差し出し、その間ペトラは紅茶のお替りを用意している。
みんなの腹も満たされたことでリラックスモードだが、残念なことに今度は俺の今日について話す。
残業は嘘で帰宅途中に男が暴れており取り押さえ警察に引き渡して事情を聞かれていたため帰宅が遅くなってしまったこと。男は現在警察で身柄を預かっているが興奮状態でそっちの事情は聴けてないこと。念の為ハンジをマンションに行かせたこと。
静かに聞いていたがハンジ以外は顔色悪く、カズサに至っては青白くなっている。
まったく怪我はしていないし相手も大したことない相手だった。と言ってもカズサは暗い表情を崩さない。
どうせ、自分のせいだ、とか責めているんだろう。
「やっぱ、リヴァイってちっこい癖に強いよね。自分よりも大きい相手を投げ飛ばすし、大抵はあの堅気じゃないような視線でさ、追っ払うの得意だもんね。本当」
おい。それはフォロー入れてるんだよなと聞きたくなるが、こういう場面では頼りになる。
「カズサ。言っておくが自分のせいだとか、馬鹿なことは思うだけ無駄だ、阿呆な奴は阿呆のままだし、そんな奴の事を考えているだけ時間の無駄にしかすぎん」
「そうよ!カズサは悪くない、胸張って威張るくらいがちょうどいいんだよ」
時間もかなり更け、明日(もう今日だ)に備え、長い一日を終える為にもすぐに寝支度をして眠ることにした。