第2章 Lupine あなたは私の安らぎ
「あ~お腹空いたなぁー」
突然間延びしたハンジの要求がリビングに響き渡った。
「ほら前回私だけお寿司食べそこなったじゃん?今回リヴァイに集ってやろうって決めてたんだよね。ねぇねぇねぇ、皆もご飯食べた?リヴァイは食べた??」
俺も含めハンジが何を言っているのか、理解するのに一拍かかった。
「この奇行種、てめえ」
「だってさ、腹が減っては戦はできないんだよ?それに私の空腹は限界だ」
こうなったハンジは絶対に引かない。
カズサとペトラは呆気に取られて言葉も出ないことだろう。
「うるせぇな、寿司でもなんでもデリバリーしろ!食ってる間は黙って食えよ」
「アハハ!保証はできないけど努力はするね!」
手を額に当て、項垂れているにも関わらずハンジの追撃は止まない。
「まだみんなもあまり食べてないだろ、リヴァイのおごりだから好きなもんオーダーしようぜ」
もう勝手にしてくれ、と思っているとハンジ以外は食欲もないのだろう。ハンジがどれが良い?!なんて聞いているが戸惑っている。
「もう、しょうがないな。じゃハンジさんセレクトでオーダーするからよ!!」
返事をするのも面倒になってきた俺を引っ張ってネットで注文しちゃいたいんだけどアカウント作るの面倒だからさ、と俺のアカウントで注文したいらしい。
必然的にハンジと二人でPCの前に行くとハンジは手早くオーダーを終えるとPCのメモ帳に『まだ犯人か確定していない人物の名前は出さない程度に話すんだ』と会話ではない方法で意見を出してきた。
『彼女たちには全部じゃない方がいいかも。差し障りないところまで。エルヴィンに報告、相談する』
俺が確認した瞬間にメモは削除された。
「ん~旬のネタもいいし定番もいいし。ん〜全部注文すれば解決だ!」
ハンジの演技に付き合って、俺は大きなため息とハンジに蹴りを食らわせた。ハンジからは恨みがましい目で見られたが、このくらいは許される演技のはずだ。
デリバリーが到着すると俺よりも早くスキップしながらハンジが受け取った。
「さぁ。食事は楽しくおいしく頂こう」
おずおずとハンジにつられ二人も食べ始めた。俺の分も取り分けようとしているが、スマホ、PCのどちらにも通知が入った。
食事中の三人に断りを入れてから連絡してきたエルヴィンに別室で報告のメールのやり取りを始めた。
