第2章 Lupine あなたは私の安らぎ
タクシーから降りて自宅に入るとすぐにとても心配そうなカズサとペトラの視線が集まった。
「ただいま」
「「おっ、おかえりなさい」」
不安と安心が一緒になったような声が揃って帰宅の挨拶を返してくれる。
「あ。紅茶淹れますね、気が利かなくてすみません!」
そわそわと落ち着きなく飲み物を用意しようとする。
「ペトラ、頼む」という前にもうカズサの後ろについていった。
残ったハンジはある程度の状況を知っているので最初から話す必要はない。
重要な点を簡単に伝える。
「リヴァイ、ちゃんと全部話すべきだ」
「もう少し待て…」
「隠してもどうしようもないレベルだよ、それに当事者が知らないなんてのは、おかしいし彼女の為にならない」
確かにこのまま隠し通せるとは思っていない。
ある程度、確証が持ててから。と思っていたし、事情聴取受けたばかりなのにいやな情報はできるだけ先延ばしにしたいのが俺のが本音だ。
「じゃ、他の人から遠慮も配慮もなく知らさせるのと、あなたや私たちがいる場で聞くのはどちらがいいか?明確なことじゃないか」
「だが」
「お待たせしました」
タイミング悪く茶の用意が出来たらしい。
「ああ、ありがとな」
「頂くよ」
買った時はこんなに広めのローテーブルはいるか?と思っていたが気に入ってしまったので買った。
紅茶のカップを見てたり、口をつけたりしてるがカズサとペトラは”なにがあったのか”を気にしているのが態度に出ている。
それもそうだ。
残業にしては遅すぎるし予め言っていた予定でもない。
そこに突然ハンジは来るはペトラに連絡した際もざわついてた音は聞こえてただろう。
ハンジは咎めるような視線でこちらを見ている。
だが、最初に話すのはカズサとペトラの事情聴取内容からだ。
「リヴァイ課長、大丈夫、ですか?」
シーンとした空気のなか勇気を振り絞ったような最もな疑問がカズサからでた。
大丈夫か、大丈夫じゃないかと問われれば大丈夫じゃないほうかもしれないが。
「ああ、心配かけた。問題ない」
ハンジにテーブルの下で腿を抓られた。
ハンジのほうを向くが知らん顔で紅茶を啜っている。
「俺のことは後にする。まずは事情聴取について聞かせてくれ」
途端にカズサの表情が固くなった。