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【進撃】中・短編 【リヴァイ】

第1章 ”さよなら”



「話がある、時間をくれ」

突然リヴァイが言い出した時、いやな予感がした。
でも自意識過剰だよ。ともう一人の私が呟く。
こんな日に限って誰いない。静かな研究室でリヴァイが答えを待ってる。

「え、怖い顔してるよ?相談とかなら」

「違えよ。」

逃げられないと感じた。


※※※

駅近くのカフェで注文した飲み物を前に沈黙が横たわる。
のどが乾いてアイスコーヒーを一口。

「砂糖とかミルクはいれねえのか」

「ん、ブラックの方が後味いいから」

「コーヒーより紅茶のほうが美味い」

「紅茶派だもんね」

なかなか本題に入らないリヴァイの顔が見れなくてカランカランとグラスの氷を回して誤魔化す。

「話しってのは…俺の、気持ちについてだ。その前に顔を上げろ」

「う、うん。 そう。」

顔を上げると真っ直ぐ見つめるリヴァイから視線を逸らせない。

ペロリと唇を舐めて息をしている。

「俺は、お前が好きだ」

体がビクリとした。何か、何か言わなきゃと言葉を探しているとリヴァイが話を続ける。

「俺の女関係について…カズサも聞いたことあるだろ」

小さく頷いた。

「どんな風に聞いてるかは知らないが女にだらしねえってのは事実だ。いや、そうだった」

だから、だから何なの?と言いたいのに声がでない。

「その時の気分でそういうコトをしてた。その後しつこい女や付き合いたいって言ってくると終わりにしてた」

「……最低」

「その通りだ。だから俺に望みはないと思ってる」

「じゃ、なんで言うの?」

「なんでだろうな。正直言わない方がまだカズサの近くにいられたかもな」

「そうかもね。もういいかな、そろそろ帰る」

「話は終わってねえよ。独りよがりだが今までの女とは全部終わらせた」

「…だから?」

「叶わねえと…分かっちゃいるんだが。俺と付き合って欲しい。俺を見て欲しい」

「そんなの無理だよ、リヴァイをそういう目で見てない」

「わかってる。最低な男に言い寄られて頷くわけねえよな。だからこれからの俺をみて判断してくれねえか?」

さっきまでの強い瞳は懇願の色をしている。

「ごめん、帰るね」

「カズサ」

ガタッと席を立ち、コーヒー代を置いてそのまま逃げるようにお店から出た。

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