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【進撃】中・短編 【リヴァイ】

第2章 Lupine あなたは私の安らぎ



平凡に生きてきた自分がこんなことに巻き込まれるなんて思ってもいなかった。

「でね、この人が見つかるまでは一人で行動はしないほうがいいと思う」

「警察にも届けていますし見回りも強化してくれるって」

敬語も忘れタメ口になっているが気にしている余裕がない。

「警察はあまり当てにしないほうがいいよ、一日中いてくれるわけじゃないからね」

「カズサの引っ越しまで私と一緒に住むので、その点は大丈夫です」

ペトラが力強く援護してくれるがすぐにハンジさんに覆らされる。

「う~ん、それは得策じゃないな。相手がどこの誰かもわかんないし、もしかしたら男性で急に襲ってくるかもしれない」

「ペトラも危険に晒される可能性があるってこと、ですよね?」

「そう、ペトラの周りも監視するかも知れない」

「……」わたしと一緒にいると周りの人に迷惑どころじゃない危険がある。
それまで一言も話していなかったオルオさんがペトラに言葉をかける。

「お前がカズサに張り付いて対処できんのか、住む場所も特定されたらお前も引っ越しすんのか」

またしても無言のなか、いきなり課長が発言した。

「それなら、俺と住めばいい」

えっ?、ハッ?とわたしをはじめペトラ、オルオさんが言葉にならない声をあげる。

「それ、いいね」ハンジさんだけが賛成の意を示す。

「どんなやつかは知らねえが、カズサに今は向き合う度胸がないことは確かだろ、なら男と一緒なら危険の度合いは減る」

「リヴァイ課長、それでは逆に相手を刺激しかねないと思います」

シーンと空気がどんどん重くなる。

いくら切羽詰まっているとはいえ男性で会社の上司と住む。
なんて抵抗がある。もちろん課長が何かするとか信用してないとかではないけど。

「いや、いや。リヴァイ課長の彼女さんにも悪いですし」

「俺には女はいねえし、特に問題はない、そのほうが安心できる。新聞やTVで襲われました。なんてのはまっぴらごめんだ。妙な真似もしねえ」

「わたしはどこかビジネスホテル暮らししますから」

「話しのわからねえ奴だな、ホテル暮らしでも見つかったら同じだろうが」

「そうしてもらえ」
「そうね、安全よね」
「はは、リヴァイなら変質者ぶっ飛ばしてくれるよ」

段々、みんなもリヴァイ課長の申し出に納得し始めて逃げ場がない。
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