第2章 Lupine あなたは私の安らぎ
リヴァイ課長の指示通り、オルオさんはエントランスで待っている。
「それぞれ、来た時と同じように行く。オルオ、荷物は俺の車に乗せろ」
「課長、あの。おかげさまで荷物持ち出しましたが…」
自分でも情けない声で訴えると当然のようにリヴァイ課長は答える。
「あ”、俺のとこに置けばいいだろうが」
呆気に取られていると荷物を積んだ車にリヴァイ課長は乗り込む。助け舟になってくれるはずのペトラもオルオさんの車に乗っている。
「早くしろ、ボケっとすんな」
考えることを放棄したまま、リヴァイ課長の車に言われるまま乗り込む。
「よし、今後についてはじっくりと話すぞ」
じっくり話すってどこで?
おそらく、そのままリヴァイ課長の後ろを走っているオルオさん達はどこへ行くのか知っているのだろうか?
全部、お世話になるのは申し訳ない。時間と労力を奪っているのが心苦しい。
「リヴァイ課長、本当にありがとうございました。あとは自分でかんがえ、」
「いい加減にしろ、どう考えてもお前だけでどうにかできることじゃねぇだろう。観念して世話になっておけ」
「すみません、本当にありがとうございます」
震える声で答えると「泣くな、後で泣く時間やるから。そろそろ着くぞ」
リヴァイ課長の言葉に窓の外へ目を向けるとペトラのマンションじゃない高層マンションの地下駐車場に入っていく。
車を停めるとスマホを取り出して会話をし始める。
「ちゃんとついてきているか、そうだ、済まないが近くにパーキングがある、そこに停めてからこっちまで来てくれ」
マンションのエントランス前に課長と待っているとすぐにペトラとオルオさんが来た。
二人も初めて来たのか目を丸くしている。
「荷物を俺の家に持っていく、オルオひとつ持て」
目まぐるしい現実に言葉を失っているとエントランスで番号を打ち込みコンシェルジュらしき人が声をかけてきたが丁寧に対応している。そして荷物を手にマンション内のエレベーターに乗る時もカードキーをかざすとエレベーターが来た。躊躇することなく乗り込む課長とは反対にどぎまぎするわたし達に「何してる。さっさと来い」と急かす。
みんな無言でいると到着したのか、エレベーターの扉が開いた。
すたすたと進む課長の後を追い自宅のドアでもカードキーをかざすと開いた。
