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【進撃】中・短編 【リヴァイ】

第2章 Lupine あなたは私の安らぎ



朝になり改めて自分がかなり深刻な事態に陥っていると気づいた。

まず着替えがない。会社に行ける精神状態でもない。
思い悩んでも時間は過ぎて行く。
罪悪感があるが会社には体調不良と休むしかない。
リヴァイ課長へ申し訳ありませんがと前置きしてお休みを頂きたいと伝えると大丈夫か、ゆっくり休め。とねぎらいの言葉まで頂いた。

「カズサはどうしたんですか?」

ペトラが就業時間になっても来ないカズサのことを訊ねてきた。

「体調不良だそうだ。2、3日は休むと言っていた。あいつは有給もロクに使ってないからな。ゆっくりさせた方がいいだろう」

今までが働き過ぎだったのだ。疲れも溜まってドッときたのかもしれねぇ。あとで連絡するか。

ペトラはその後、いきなり半休を取りたいと言い出し理由を聞いたが「お昼まではあったんですが財布を無くしてしまったようです」と片付けも適当に退社した。

※※※

お昼に連絡した時、声も張りがあってそんなに体調は悪くなさそうと安心した。退社後に差し入れを持っていきたいと住所を訊ねたところカズサの返事は風邪うつしてしまうからと遠慮している。
差し入れしたらすぐに帰るから。と言っても反応は変わらない。

「もしかして、彼氏に看病してもらっているの?羨ましいな」

昨夜は彼氏はここ何年もいない、仕事ばかりでと笑っていたけど本当はプライベートを知られたくないタイプかな。
でもさっきから固い雰囲気で話し方も棒読みな気がする。

「ねぇ、なにがあったの?体調不良じゃないよね」
敢えて言い切りカマをかけるとしどろもどろになって昨夜別れたあとに起こったことを泣きながら話してくれた。
盗み撮りの変態に沸々と怒りが込み上げてくる。

ともかく早急にカズサに会わなくては。
聞き出したビジネスホテルと合図を記憶して、半休を無理やり取った。カズサが必要としているだろう、下着や服、その他諸々を購入し、カズサのいる場所に着いた。
合図の回数分ノックをし数分おいてからドアが少しづつ開いた。

たった半日の間にすっかり滅入ったカズサは弱弱しい笑顔でペトラにありがとう、お金は払うね。と見当違いなことを言っている。

「わたしの家にきてよ」
自然とペトラはカズサに提案していた。断られても譲る気はなかった。

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