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【進撃】中・短編 【リヴァイ】

第2章 Lupine あなたは私の安らぎ



胸くそ悪い話し合いを終えて、フロアを覗くとやはりカズサが残っている。
わかるように入っていくと反射的にこちらを見たカズサはあからさまにまずいという顔をしている。

「おい、自分とこだけじゃなく他の課の手助けしなきゃならねぇのか?説教しても理解できていなかったようだな。弁解があるなら聞いてやる」

「その急ぎとのことで、手が回らなくて困っているとのことで。あっ!もちろんうちの課の仕事はおろそかにはしていません!!」

「それは当たり前だろうが。言ってもわからねぇか?断れと、それでも押し付けるなら相談しろつったよな」

すっかり俯いてしまったカズサに腹が立つ。

「お前は困っていると言われれば誰にでも手を差し伸べるのか。そいつが定時に上がって利用されているにも関わらずに。だ」

そんなことは思いつきもしなかったのだろう。結構な驚き具合だ。

「資料作成はあとどのくらいだ」

「三分の一です」

「受けちまった分は仕方ねぇ。最後までやり通せ。俺もいくつか残っている仕事もあるから気にせず続けろ」

「すみません」

「なんの謝罪かさっぱりわからねぇな。口動かしてる暇があるなら手動かせ」

それ以降、音を発するのは只々紙をめくる音とキーボードの音だけだ。


※※※

翌日、作成者名を俺にわざと変えカズサに見積資料を相手に送り返せ。と指示した。
確認しただろう相手は人がいなくなったタイミングで恐る恐る資料作成について詫びてきた。

「リヴァイ課長の手を煩わせるつもりはなかったんです。申し訳ありませんでした!」腰が折れんばかりに謝罪する男を一瞥し「ああ、そのことか。いずれ話す機会を設けるつもりだ。それまでは自分の席でおとなしくしてろ」

サッと顔色が変えた相手が急ぎ足で戻って行くが知るか。

あれからカズサに無茶な要求、仕事の押し付けはパッタリなくなったらしく、以前の追い回されているような雰囲気はなくなった。

「リ~ヴァイ!」声だけでわかる。研究室所属のハンジだ。

「うるせぇ、てめぇの相手する暇はない」

「そう?あの本役立っているかなと思ってさ」

「役立つも何も今はタイミングが悪りぃんだよ」

「なるほど、例の件ね」

「なんで知ってんだ」

「聞こえてきてるよ。管理職にはね」

ハンジはニヤリと気持ち悪い笑顔で答えた。


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