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【進撃】中・短編 【リヴァイ】

第2章 Lupine あなたは私の安らぎ



帰りのタクシーでネクタイを緩めながら、カズサにあんなに気を使わせるなら酒飲まずに車で送ってやったほうが良かったか?と自問した。
だが、いつもどこか一線を引いている彼女に労いとはいえ男の車で送ると言えば余計に警戒されていたことだろう。
フゥとため息を零しながら自宅へと近づき見慣れた道も増えてきた。
自宅に着くと運賃を支払い、キャリーバッグをトランクから出してもらってお掃除ロボが常時働く我が家へとカードキーでドアを開いて照明をつける。

荷物はリビングに置いて体を洗い流すべく湯を張る。

スーツはハンガーにかけその他はランドリーボックスに入れて脱衣所からバスルームに入る。



すっきりすると冷蔵庫からビールを取り出しグラスに注いで飲むと炭酸と苦みが喉を通り過ぎていく。

鞄に入れてあったスマホを確認するとカズサから通知があり、無事帰宅したこと。そしてくどいほど聞いたはずのありがとうございます。リヴァイ課長もゆっくりお休みください。おやすみなさい。とメッセージがあった。
それに一言だけ「おやすみ」と返してソッとスマホをローテーブルに置いた。
リヴァイは気分が良かった。週末の夜に邪魔なしにカズサと過ごせたのは初めてだ。会社の飲み会などは参加するがカズサは仕事とプライベートは分けるタイプなのか、これまで一人残業を見かけて誘っても良い返事が返ってきたことはなかった。おそらく今夜は疲れすぎて判断力が低下していたのと上司に仕事を手伝わせたという負い目もあったのかも知れない。

(あいつ、酔うと結構しゃべるんだな)

いつも警戒心を持ち必要以上は話さないようにしているのか、とてもドライだ。一部にはクールと思われデキる女。として見られているが本人はどうでもいいのか黙々と仕事をこなしている。
だがアルコールのせいか、いつになく饒舌で警戒心は薄く何度もそのまま持ちかえっていいか?心の中で葛藤していたのは秘密だ。

「はぁ…何とかしとかねえとな」
カズサとの会話にはいろいろな情報があったし収穫もあった。
会社での態度は相手に不愉快な言動があってはいけないとの(過剰な)気遣いでコミュニケーションが苦手。
仕事が終わらないのは他の連中が断らないとつけこんで押し付けていると判明。
そして最大の収穫は【特に付き合っている奴はいない】



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