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【進撃】中・短編 【リヴァイ】

第2章 Lupine あなたは私の安らぎ



「こんな時間まで頑張ったお前に言いたくはないが、最近ずっと残ってるな。で、誰の尻拭いしてんだ」

「いえ、別に誰のということではなくですね…好きでやってまして」

「おいおいおい。白を切っても少し調べりゃわかるだろうが。後輩の分の面倒見るのはいいが、それはフォローでもなんでもない、むしろ成長できねえだろうが」

「仰る通りです」

いつからか同期や後輩から仕事上のお願い事が増えて困ったなと思っても引き受けてしまう。断ればいいだけ、なんだけどNOが言えなくて今に至る。

「なんかあって仕事詰めてんのか?」

「心配されるようなことはないです。大丈夫です」


「今後は気をつけろ。自分の仕事をお前んとこに持ってくる分は断れ。押し付けるようなら俺がでる」

「はい。申し訳ありません」

俯いていく首を何とか上げてちゃんと課長に答える。

「お待たせしましたっ!!」

リヴァイ課長のお説教の前にオーダーしたジョッキがドンっと勢いよく置かれ店員は別の席へ飛んでいく。

「よし、この話は終いだ。」
二杯目のジョッキに口をつけようとすると次々と頼んだ食べ物が並べられる。課長の分を大皿から小皿に取り分けようとすると
自分でやるからいい。とサッと小皿に盛り付けている。

「ほら」

差し出された小皿にはサラダが盛られており、「まずは野菜からだ」とまるでお母さんのような一言にクスクスと笑ってしまい、途端に険しい視線にぶつかった。

「ありがとうございます。じゃ、こちらの小皿は課長の分です」

「揚げ物ばっかじゃねえか。次の健診引っかかったらカズサのせいだな」

良かった。眉間のしわが少しなくなった。

お説教?が終わると雰囲気は変わり出張先でのお話に花を咲かせた。

「1度観光に行きたかったんですよ」

うっかり口を滑らせると観光スポットをいくつか教えてくれる。

「詳しいですね。さては観光しましたね?」

「行きたかったんだが、生憎時間がな。経費で落とせたかもしれないのに勿体ねえ」

いつもの調子で淡々と言うから勘違いされやすいけど課長の分かりにくい冗談だ。他部署のハンジさんがちょっかいかけると「削ぐ」と言うけどあれも冗談…冗談だよね?

「冗談だ」

見分けるコツが欲しい。

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