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【進撃】中・短編 【リヴァイ】

第1章 ”さよなら”



「…変質者と思ったか?」

「ちょっと。…ハンジさん達は?」

「あいつらはそのまま飲みに行った。俺は疲れたから戻るとこだ」

「そう」

無言で歩く。どうしたらいいのかがわからない。

隣にいるリヴァイの表情からは何も読み取れない。

ほどなくして宿に着いて自分の部屋へと向かうと不意に腕を掴まれた。

「お前が良ければだが…庭をライトアップしているそうだ。少し付き合ってくれないか」


※※※

これが最後のチャンスだと感じた。
よりを戻したいとか、都合のいいことなんて言わない。
ただ止まったままの時を動かしたかった。それが例えどんな結果だとしても。
そう思ってもきっとカズサは俺の誘いは断ると諦めてもいた。
誠実に大切にすると言いながら真逆の事をして謝罪すらできてない男なんてカズサと同じ時間を過ごすのも烏滸がましいにも程がある。
でも、せめて。

カズサは今なにを思っているんだろう。
どうして俺の誘いにうなずいたんだ。
自分から言っておいてどこかうろたえているが生来、表情の出にくいのが幸いしたと思いたい。

「ライトアップされてるからかな?夜はだいぶ雰囲気が変わるね。まるで歴史で習った時代に来たみたい」

「そうだな、普段の生活からは想像できないよな」

庭を散策していると計算されたように四阿がある。
カズサの手を引いて誘導する。手を振り解かれなかったのが嬉しいなんて思春期のガキみてえだ。
お互い、向き合った席に座る。
途端に静寂が訪れる。

「お前に…話したいことがある。いやかもしれないがもう少しだけ時間をくれ」
腹を括って話だすとカズサは頷いた。

「付き合ってた頃、ひどく傷つけて申し訳なかった」
視線を反らさずに伝えて、頭を下げた。

「謝ってすむことじゃないとはわかっているし俺のエゴだ。
だが俺は今でも後悔している。話す機会も向き合う時間をあった。傷つけただけじゃなく都合の悪いことには知らん顔してここまで来てしまった。留学前にちゃんと話しあうべきだった。」

「うん。私も逃げてた。怖かったから。留学はいい機会だった。」

「…俺の言葉は信じられないだろうし自業自得と自覚もしているが。俺の一番きれいな場所にカズサがいる。どんな女といてもそれはずっと変わらなかったしおそらくこれからも変わらない」

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