第1章 ”さよなら”
「あー、予定より少し遅れちゃったね」
「きっと、一番乗りで鬼みたいな顔してるんだろうなー」
「渋滞に巻き込まれちゃいましたから」
車内でのほほんとした会話をしながら近づく距離に緊張する。多分ナナバさんもハンジさんも気づいている。
「ハンジ、まさかと思うけどさキャンプだーとか言って野宿じゃないよね?」
「まっさかー!いや、そうしたいけどあのリヴァイが来るんだよ?そんなプランだしたら速攻で死ぬから」
ケラケラ笑いながら話す二人と一緒に笑いながらもどこかで不安を感じていた。会いたいような、会いたくないような。
「やっと、着いたね」
「早く行こう、なんか車ある。リヴァイだ。相変わらず時間厳守だよね!」
ナナバさんの車を駐車場に止めると黒のセダンがすでに止まっているが人はいない。
「よお、遅かったな」
「早いねぇ、リヴァイ。先生は嬉しい!!」
「黙れ、いつから俺の先生とやらになった?記憶にこんな奇行種はいねえ」
「久しぶり、リヴァイ。元気に頑張ってるみたいだね」
「それなりにな」
「ほらほら、カズサも来てるよ!清々しい挨拶くらいしなよ」
ハンジさんとナナバさんの一歩後ろにいた私をハンさんがずいっと前に押す。
「元気そうだね。みんなで集まるのは気晴らしに丁度いいよ」
「そうだな、奇行種がプラン立ててなきゃもっと安心して参加したんだがな」
「さっきから私の扱いひどくない?!!」
「ま、ハンジだからね」
笑顔のナナバさんと対抗するハンジさんの声は近いはずなのに、どこか遠くから響く音にしか聞こえない。
リヴァイだ。目の前にリヴァイがいる。あの頃と変わらないブルーグレイの瞳に私が映っている。私に瞳にもリヴァイが映っている。同じ敷地の病院で働いているのに、とても久しぶりで知らない人にあったみたいだけど、リヴァイだ。
「職場一緒だし、久しぶりっていうのもおかしいね?」
「そうだな。だが、院内で鉢合わせることなかったからな。久しぶりだろ」
「そうだね」
「だぁあー!なんだよ!!その知り合いに紹介されました。みたいな挨拶はっ!もっとフランクに行こうぜ!」
「お前はフランクってレベルじゃねえだろが」
「ハンジ、流石に空気読もう」
ハンジさん達が会話に入ってきた時、エルヴィンさんの車が到着した。