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【進撃】中・短編 【リヴァイ】

第1章 ”さよなら”



※※※

ハンジからの連絡から二週間。晴天で暑い空気が街を包む。
現地集合の場所は都会から少し離れた場所。
麓にある駐車場に車を停め悪態を吐いた。

「あのクソメガネめ」



連絡で場所を知った時すぐにリサーチし、そこが山と知った。
何故、山なんだ。普段の喧騒から解放はされるだろうが一泊二日の日程はどうなっている。

「クソメガネ、俺は言ったな、変なとこにはするなと」

「やだな~、健全でリラックスできるナイスなチョイスだろ」

「もっとゆっくり話せるようなプランは思いつかなかったのか?そもそも山ってなんだ」

「いつもとは趣向を変えてみたんだ」

電話の向こうからもウキウキしているのがよくわかる。

「みんな反対意見はなかったし、決定事項だから文句は聞かないよ!」

これ以上話しても平行線にしかならないと判断し参加メンバーの確認をする。

「まずエルヴィン、私にミケも来れるって、あとはナナバと君だね」

ミケは大学系列の地方中核病院にいるはずだ。よく時間が取れたもんだ。

「現地集合だけど、ミケは新幹線で来るから駅でエルヴィンが車で拾ってくるってさ」

エルヴィンとミケは普段から連絡も取っているらしく、あの頃と変わらず親交が深い。

それよりもだ。俺が一番聞きたい名前がない。。

「ハンジ、」

「あ~っと、勿論カズサも参加だ!聞きたかったのはそこだろ?」

半分からかう調子のハンジは得意そうに言う。
対面だったら迷わず蹴りの一つや二つ、かましてやるとこだ。

「久々の再会だねぇ、何なら動画でも、、、」

「黙れ、変態め」

「ほ~んと素直じゃないよね。ま、現地で会おう!」

いつもながらハンジと話すとペースを乱される。勝手に電話も切りやがった。

山と知っていたから、それなりの服装にしてはきた。
歩きやすいシューズに動きやすく吸汗性のある服。虫よけスプレー、デオドラントシート、水分補給の為のペットボトルなどなど。

俺が一番乗りらしく、まだ誰もきていない。
嗅ぎなれた消毒液の代わりに緑の匂いがする。
肺いっぱいに空気を吸い静かに吐く。
それだけでも普段の澱みが浄化されていくようだ。

(柄じゃねえな)

近くにあった石に腰掛けながら、そろそろ誰か到着するだろうと考え、カズサだといい。と思った。

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