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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第12章 ●ハマる●


いつもよりワントーン低い硝子の声。

「お前には関係ねぇだろ?」

「関係あるわよ。」

「あぁ?お前、誰に向かって言ってんの?おーい、恋!いるんだろ?出てこいよ。話がある。」


悟、キレてる。


何でだろう?

 

「やめて!五条。ミサト先輩とどうなってるのか私に教えて。」

硝子が必死に悟を止めている。

「はぁ?お前何言ってんだよ?俺はアイツに話があるんだよ!」

更にキレる悟。

私はゆっくり出て行った。


「悟。」

「恋、お前先輩に何言った?」

「えっ?な、にって……」

悟が何を聞きたいのかわからなかった。

「お前、俺の事、何とも思ってないって言ったの?」

私の目を見つめる六眼。


心臓が早鐘を打っている。

ドクンドクン。

私はあなたが好きなのに。

だけどあなたには彼女がいる。

だから、私はあなたのために。

彼女に嘘をついた。


「は、い。」

「ふーん。そっか。」


バタン


悟はドアを思いっきり閉めて帰って行った。



私はその場で固まってしまった。


「恋、本当にそう言ったの?」

「うん。だってあの人は悟の彼女なんだから。私はあなたの彼氏が好きです、なんて言える訳ないじゃん。」

「それはそうだけど。本心じゃないでしょ?」

硝子に痛いところを突かれた。

「それ、は……本当、こんなに好きにさせられて。私、バカみたい。」

少し、涙が出た。

「恋、アンタって子は。」

「だ、いじょうぶだ…から。ごめんね。もう、帰るね。」

「何かあったら、何でもいいから、いつでもいいから電話して。」

「うん。ありがと。じゃあね。」

硝子の部屋を出て自分の部屋までやって来た。
ドアを開けて中に入ろうとした時、後ろから声が聞こえた。


「お前、俺の事好きだって言ったの嘘だったの?」

「さ、とる?」

振り返ってみたけど誰もいなかった。


「はぁー。遂に幻聴が聞こえるようになったか。」

独り言を言って部屋に入った。
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