第42章 約束する
「よ、よろしくお願いします。」
相変わらずおどおどしてる乙骨。
あーあ、真希キレるだろうな。
そう思っていると案の定真希の目が吊り上がった。
「オマエいじめられてたろ。図星か?分かるわぁ、私でもいじめる。呪いのせいか?善人ですってセルフプロデュースが顔に出てるぞ。気持ち悪ィ。なんで守られてるくせに被害者ヅラしてんだよ。ずっと受け身で生きて来たんだろ?なんの目的もなくやってるほど呪術高専は甘くねぇぞ。」
「真希、落ち着いて。」
真希を宥めつつパンダに目配せ。
「すまんな、アイツは少々他人を理解した気になる所がある。」
パンダが乙骨にフォローを入れてくれた。
悟よりよっぽど大人だ。
「いや、本当のことだから。」
せっかくのフォローも乙骨には響いてなかったみたい。
「ここは?」
乙骨が尋ねる。
「ただの小学校だよ。ただの校内で児童が失踪する小学校。場所が場所だからね、恐らく自然発生した呪いによるものだろう。」
悟が説明した。
「大勢の思い出になる場所にはな、呪いが吹き溜まるんだよ。学校、病院、何度も思い出されその度に負の感情の受け皿となる。それが積み重なると今回みたいに呪いが発生するんだ。」
真希が言った。
「呪いを祓って子供を救出、死んでたら回収してね。」
私が任務の内容を伝えると、悟が帳を下ろす。
「闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え。」
「夜になってく!」
驚いてる様子の乙骨。
「内側から簡単に解けるよ。そんじゃ、くれぐれも死なないように。」
悟が軽く言い放ち、私と悟は4人を帳の中に残して外へ出た。
「ねえ、もしかして乙骨に何も教えてないの?」
外へ出て、悟に聞いた。
「うんっ!」
満面の笑みで答える悟。
「ハァ……」
「暇だからお茶する?それとも………イケナイとこ行ってイケナイことしようか?」
新しい年度が始まってもこの男だけは変わらない。