第12章 ●ハマる●
「わぁー、久しぶりだぁ。」
部屋に帰り、久しぶりにベッドに横たわる。
私がいない間、硝子が掃除と風通しをしてくれてたから部屋は綺麗だ。
荷物を片付けていると、悟が来た。
「恋ちゃん。お腹すいたぁ。何か食べさせてぇ。」
「さっき帰ったばっかだから何もないよ。お買い物行かなきゃ。」
「じゃあ、行こう!」
悟と2人で近くのスーパーにやってきた。
「悟、何食べたい?」
「恋ちゃん♡」
「ちょっと、こんなとこでやめてよ。」
「えー?いいじゃーん。」
「そんな事より何食べたいの?」
「カレーライス甘口。」
「お子様なの?」
「うん。辛いのダメなの。」
「前にみんなでご飯行った時、麻婆豆腐食べてなかった?」
「あれは、お前と同じものが食べたかったら無理して食べた。」
完全にお子様だ。
「じゃあ、カレーで。」
買い物してると視線が気になる。
無理もない。
私たちの身長差は40センチ以上もある。
それに、悟はイケメン。
私は……
色んな意味で釣り合いが取れてない気がする。
そんな事を考えながらカレーの材料をカゴに入れていく。
ふと気づくと入れた覚えのない物が入っている。
「何これ?アイス?」
カップのバニラアイスとチョコアイスが一つずつ入っていた。
「うん。恋も食べるでしょ?」
「うん。大好き。」
思わず笑みが溢れる。
「もぉ、こんなとこで。恋ったら、そんなに俺の事が好きなの?」
「ハイ?何言ってんの?大好きなのはアイス。」
「素直じゃないね。まあ、そういう所も可愛いんだけどねーって聞いてる?」
悟を無視して先へ進んだ。
買い物帰りの事。
「荷物俺が持ってあげるね。」
「うん。ありがと。」
悟が買い物袋を持ってくれた。
そういえば建人は黙って持ってくれて先を歩いていたっけ。
悟は並んで歩く。
横顔もイケメンだ。
通りすがりの人が振り向くぐらい。
本当に私でいいのかな?って思う。