第12章 ●ハマる●
「やっと帰ってきたぁ。」
半年ぶりの高専。
悟はヘリで帰校。私はウチの車で送ってもらった。
「お帰りー、恋。」
「よく戻ったね。」
硝子と夏油が出迎えてくれた。
「ただいま!硝子、夏油。」
「あっ、もう着いてる!七海、早く早く。」
灰原が走ってくる。
「灰原、待ってください。」
その後ろを追いかけてくる建人。
「恋さん、お帰りなさい。」
「ただいま、灰原。」
「ハァハァ、恋、お久しぶりです。」
「久しぶり、建人。みんな元気そうでよかった。」
「あなたも元気そうですね。」
「うん。元気よ。そうだ!夜蛾先生どこか知ってる?」
「さっき職員室にいましたよ。」
「ありがと、灰原。ちょっと行ってくるね。」
そう言って職員室に向かった。
「よく帰ったな、恋。」
「どうも。ご迷惑おかけしました。」
「フム。見たところ、だいぶ強くなったようだ。」
さすが先生。
パッと見ただけでわかるんだ。
「ありがとうございます。」
職員室を出ると硝子がいた。
「おめでとう。恋。」
「何?何かめでたいことあった?」
寮に帰りながら話す。
「五条と両思いなんでしょ?」
「な、何で知ってるの?」
「五条が言ってた。告ったら恋に好きって言われたって。」
「悟のばか。」
小さな声でつぶやいた。
「へー?悟ねぇ。」
「だってそう呼べって言われて。」
「ふーん、それでどうだった?また抜けた?腰。」
「腰じゃなくて、その……頭が……意識が飛んだ。」
「ウソ!気絶したの!?」
硝子が大声を出す。
「ちょっと、声大きいよ。」
慌てて止める。
「気絶かぁ、五条もやるねー。てか、あんたら相性抜群じゃない。」
「そうみたい。」