第10章 ●囚われる●
それから1ヶ月後。
「おつかれ様です。お嬢、よく頑張りましたね。」
修行&禁欲生活が終わった。
「ウンウン。だいぶ力がついて来たようじゃの。」
大ババ様が褒めてくれた。
「じゃあ、私荷造りしてくるから。」
部屋で荷造りを始めた。
高専へは明日帰る予定だ。
トントン
「はーい、どーぞ。」
てっきり、使用人かと思った。
「ジャーン!」
開いた扉から真っピンクの薔薇の花束が見えた。
「五条!どうしたの?それ。」
「プレゼント。禁欲が明けたお祝いに。」
そう言って五条が私に大きなピンク色の花束をくれた。
「あ、ありがと。嬉しい。こんな大きな花束もらったの初めて。」
「お礼ちょうだい。」
「お礼って?何?」
「チューして。」
そう言うと彼は椅子に座り、顔を突き出した。
「わかった。」
花束をテーブルの上に置いて、五条の唇にそっとキスした。
「捕まえた。」
五条は私の背中に両手を回して抱きしめた。
「ごめんな。俺、自分勝手で。だけど言いたくてたまらないんだ。」
「どうしたの?何?」
「好きだ。恋。俺じゃダメ?」
突然の告白。
「それ、今言う?禁欲明けのこの時に。」
「ごめん。ヤリたいだけだと思われても仕方ないけど。でも、本当なんだよ。お前が好きなんだ。」
「本当に?」
「本当に。初めは正直、何とも思ってなかったけど、段々気になり始めて。抱いた時から本気で惚れてた。でも、硝子に七海と別れるまで焦るなって言われてたんだよ。しかも禁欲だろ?もう、頭おかしくなりそうだったよ。」
「それで一緒に禁欲するって言ったの?」
「うん。」
「五条………私も、五条が好き、だと思う。」