第9章 醒める
俺は未だかつて告白に成功した事がない。
いつもフラれてばっかりだ。
だから体だけの女とばかり遊んできた。
しかし今また女に惚れた。
恋だ。
初めは地味な女だと思っていたのに、だんだん気になってついにはヤッてしまった。
ヤッた後俺としては幸せいっぱいだったんだけど、向こうはそっけない態度だった。
嫌だったのか?
あくる日からあからさまに無視されてる。
避けてるどころじゃない。
声を掛けても無視。
電話もメールも無視だ。
俺、告白する前から嫌われてるの?
硝子に言われた。
「もうちょい落ち着きなさい。あんまり焦ると嫌われるわよ。」
「どういう意味だよ。」
「あんたとヤッちゃって、あの子落ち込んでるの。しかも、それが七海にバレてて距離置こうって言われちゃって悩んでる。こういう時は焦っちゃだめよ。あんたはどっしり構えてなさい。」
「どっしり構えるって何だよ。俺、告ろうかと思ってるんだけどダメって事?」
「そういう事。いま、告っても振られるだけ。」
「マジ?」
「うん。そこら辺のバカ女と一緒にしないでよ。あの子はアンタと浮気した事で自分を責めるような子なの。七海と別れてすぐに他の男には行けないから。」
「わかった。落ち着けばいいんだろ?」
なんだ、嫌われた訳じゃなかったんだ。
少しホッとした。
恋に無視されてから1週間ほど経った頃、傑と揉めた。
好きな女に無視され続けてるっていうのは、ストレスが溜まる。
傑に当たってしまった。
そしたら傑が本気でキレた。
恋と硝子が逃げ出したくらいだ。
夜蛾が来なければマジでやばかった。
「お前たち2人に任務だ。」
夜蛾から任務を言い渡された。
天内理子の護衛と抹消だとぉ?
天内理子って中学生なのか。
つまりはガキのお守り。
性に合わないな。