第7章 ●ねだる●
遂にやってしまった。
七海がキスしてるとこ見せつけるから。
我慢できなくてやっちゃった。
しかも2回も。
恋の驚いた顔が可愛かった。
2回目は抱きしめながらキスした。
このまま押し倒そうかと思っていたら、邪魔が入った。
そのせいで恋は我に返ってしまい、俺は追い出された。
地味な女だと思っていたのに、どっぷりハマってしまった。
後輩の女だぞ?
もう今では恋の事を考えない日はない。
ヤバいな。
昨夜は一睡もできなかった。
恋の事ばかり考えてしまったから。
朝になり、また恋が作った朝ごはんが食べたいと思い、アイツの部屋に来た。
トントンー
ノックをすると、ガチャっとドアが開いてあろう事か七海が顔を出した。
「五条さん、何ですか?朝っぱらから。」
超不機嫌の七海。
「あれっ?恋は?昨日のマフィンのお礼言いに来たんだけど。」
「教室ですよ。もうすぐ授業始まりますよ。」
七海が顔をしかめた。
「ヤベッ、また夜蛾に怒られる。」
そこから全速力で教室へと走っていった。
つーか、何でアイツが恋の部屋にいるんだよ。
しかもアイツ上半身裸じゃなかった?
まー何となく想像はつく。
夜中に帰ってきてそのまま恋の所へ行って、疲れたから慰めてくれとかなんとか言って、そのまま…
自分で想像しておいて吐き気がした。
教室に着くと夜蛾に怒られた。
席に着いて隣の恋を見ると、目が合った。
笑いかけたけど、思いっきり目を逸らされた。
アレッ?俺、嫌われた?
その日は何をやっても身が入らず、夜蛾から叱られてばっかりだった。
どーしよ。
また好きな女に嫌われたのか?
そこからヤル気が出なくてテキトーにやってたらまた夜蛾に怒られた。
あーあ、誰か慰めてくれないかなぁ?