第1章 始まる
「おいおいおいおいおいでーおいおいーでー」
気持ち悪く響く呪霊の声。
バシュッ!
「はぁーあ。また低級。こんな事ならサボりゃよかった。」
五条が文句を言いながらも低級呪霊を速攻で祓って行く。
「悟、そんな風に言うもんじゃないよ。」
苦笑いの夏油。
おいおい!
待って待って!
早すぎない?
五条の動きを必死で目で追っているが、あまりにも早すぎて時々見えていなかった。
「ねぇねぇ、恋。お前もちゃんと仕事しろよな。」
前を歩いていたはずの五条がいきなり私の目の前に来ていて、顔を近づけていた。
ち、近い!
見えた!
これが噂の六眼!
すっごくキレイ!
私は心臓が口から出そうなほど緊張していた。
「ご、ごめん。次は私がやるから。」
そう言って先頭へ走り出た。
「なあ?そう言えば恋ってどこの高校から転入してきたの?」
五条が不思議そうに聞く。
「呪術高専京都校から。」
「えっ!?でも、この前の交流会居なかったじゃん。だよな?傑。」
「ああ、居なかったな。任務に出てたとか?」
五条と夏油2人とも不思議そうにこちらを見ている。
「休学してたから。」
一言、そう答えて歩き始めた。
「そう…なんだ。」
私の背中に向けて五条が静かに言った。
すると、突然目の前に大きな毛むくじゃらの呪霊が現れた。
「おまえたち、なにものだ?」
さっきまでの呪霊と比べるとハッキリとした言葉を発している。
おそらくコイツがここのボスだろう。
多分二級、いや、三級かな?
大した事はなさそう。
近づきながら左手の手袋を外す。
「私、毛深い男はキライじゃないの。でもね、いくら何でもそれはやり過ぎ。」
わざとゆっくり喋った。
そして喋りながらボタンを外していき、左肩を抜いて腕を出した。
下着が見えてしまうため、下着はストラップレスブラでその上からチューブトップを着ている。
昔はサラシを巻いていたりしたみたいだけど、あれは巻くのが面倒だから。