第7章 ●ねだる●
五条はいつも通り、少しだけ遅刻してきた。
目が合い、笑いかけて来たけど目を逸らせてしまった。
まともに顔を見られない。
今日は五条の様子が変だった。
先生からすごくおこられてた。
授業が終わって帰ろうとしていたら、夏油が4人で食事に行こうといいだした。
「たまには良いだろう?」
夏油がこういう事を言い出すのは珍しい。
「うん、そうだね。たまにはね。恋、行こう。」
硝子も行きたそうにしている。
「そうね。いいじゃん、行こう。」
私も賛同した。
「いいねぇ、行こう、行こう。」
朝から元気のなかった五条が急に元気になった。
出かける前に建人に電話した。
「今日、みんなでご飯食べに行く事になったの。」
「そうですか。私も今日は灰原と稽古の約束がありますので。」
「そっかぁ、わかった。じゃあ、また明日。」
「はい、また明日。」
4人で近くの中華料理屋にやってきた。
私の隣に五条が座った。
「わーい、何たべよっかなぁ。」
はしゃぐ五条。
「えーっと、とりあえず生ビール。」
お酒を頼む硝子。
「恋、君は何が食べたいのかな?」
夏油がメニューを見せてくれる。
「うーん、そうだなぁ。麻婆豆腐が食べたいな。」
「俺もー。俺も麻婆豆腐たべたぁい。恋、シェアしよう。」
五条が口を挟む。
「いいよ。じゃあ、麻婆豆腐とチャーハンでお願い、夏油。」
夏油に注文を頼む。
「俺もチャーハン食べたい、それと食後に杏仁豆腐も、傑。」
「杏仁豆腐、私も食べたい。」
実は私も甘いものには目がないのだ。
「硝子はビールと何?」
夏油が硝子に聞く。
「じゃあ、酢豚定食。」
「私もそれにしよう。」