第41章 ●戒める●
真希の後ろからパンダが息を切らして走ってきた。
「パンダ、お前走るのおっせえな。」
すっかり仲良くなった2人。
「ハアッ、ハアッ、お前が……速すぎなんだよ。」
それは言えてる。
真希の身体能力は私よりも全然高い。
下手すりゃ呪力除いた悟よりも上かも。
「真希、その制服よく似合ってる。」
「ありがとう。恋のアドバイス通りにしたんだ。」
「うん。真希っぽいよ。」
「うーん、やっぱ女子高生はミニスカだよね。」
腕組みをした悟が言った。
「俺もそう思うぞ、悟。」
同調するパンダ。
「だよね?今度恋に着せようっと。」
「ちょっと!子供たちの前で変な事言わないでよ!」
「だからバカ目隠しって言われんだよ。」
「フフッ真希、その通り。」
「なあなあ、もう1人いるんだろ?新入生。」
パンダが言った。
「そうだよ。教室にいるから。」
教室へ行くともう1人の新入生が待っていた。
「おはよ、狗巻。待った?」
「おかか。」
「ごめんね。」
「しゃけ。」
「じゃあ、まずは自己紹介。真希お願い。」
「禪院真希、よろしく。」
「俺はパンダ、よろしく。」
「ツナマヨ!」
「狗巻棘、よろしく。」
悟が通訳した。
「おい、そいつさっきからおにぎりの具しか喋ってないけどどういう事だ?」
真希が言った。
「この子はね、言葉に呪力を乗せて放つ呪言師なの。下手な事言って無意識に呪わないように語彙をおにぎりの具に絞ってるのよ。仲良くしてあげてね。」
「へえ、何か大変そうだな。」
「よろしくな、棘。」
こうして新学期が始まった。
「今年はなかなかの粒揃いだね。」
放課後、いつものように硝子とコーヒーを飲む。
「うん。特に真希はこれからが楽しみ。あの子はもしかしたらアイツみたくなるのかも。」