第41章 ●戒める●
ああ、やっぱり恋ちゃんは最高やなぁ。
「ちょっと直哉聞いてる?」
うわ、俺の名前呼んでくれた。
「ごめん、聞いてるで。何やウチの出来損ないがここでお世話になっとるいうて聞いたもんやさかい来てみたんや。」
「出来損ない?誰の事だろうね?悟。」
「さあ?誰だろうね、恋。」
「大変、午後の授業始まっちゃう。失礼。」
いつの間にかお弁当箱をしまい、立ち上がって手を振りながら立ち去る恋ちゃん。
「待ってよー恋ちゃーん?!」
後を追いかける悟くん。
何やねんこの茶番は。
嘘やって見え見えやし。
真希ちゃんはどこにいてんのやろ?
それからしばらく校内をうろついた。
でも、真希ちゃんは見つからへん。
「あれ?まだいたの?」
そしてまた悟くんと恋ちゃんに会った。
「なあ、真希ちゃんどこにおるん?」
「あんないたいけな少女いたぶって楽しんでいい性格してるよね。」
恋ちゃんの顔には明らかに軽蔑の色が浮かんでる。
「真希ちゃんは俺のもんや。あれは術式はおろか呪力もほぼほぼないに等しいんやからな。俺の小間使いにしよう思ってんねん。何やったら俺のガキ孕ませてもええな。」
「お前、こんな所まで来たのか?」
その時、物陰から真希ちゃんが登場した。
「お前はあかんよ。直哉くんって呼べって何べんも言うたやろ?」
「ふぅーん、直哉くんねぇ。気色わるっ。」
恋ちゃんが大袈裟に身震いした。
「ええ響きやなぁ、恋ちゃんが直哉くんって呼ぶの。」
「お前頭悪いのか?気色悪がられてんだぞ?」
「せっかくうっとりしてたのにいらん事言うなや、この出来損ないが!」
俺は手を振り上げて真希ちゃんを殴ろうとした。
その時、俺の大事な息子に激痛が走った。