第41章 ●戒める●
考え込んでたら悟くんにバレてもうた。
「いややわぁ、悟くん。覗きなんて下品な事この俺がするわけないやん。お邪魔したらあかんかなぁ思ってここでじーっとしてたんやないの。」
バレたらしゃーない。
出ていくしかあらへん。
「ここで何してるの?」
俺を睨みつける恋ちゃん。
その目や、俺が求めてたんはそのきっつい目つきや。
「いやあ、相変わらずきっつい目で睨んでくれはるなぁ。ゾクゾクしてまうわぁ。」
「気色悪いこと言わないで。」
キツいわぁ。
まあ、そこがええねんけど。
「ホンマ、お似合いのカップルやなぁ。ところで悟くん、お嫁さん選びはどうなってんの?何も噂聞かんけど。」
わざと挑発してやった。
恋ちゃんは何事もなかったかのようにおにぎりを手に取り、口に放り込んで頬張る。
何や、美味そうに食うなぁ。
悟くんはベンチから立ち上がった。
そして、俺を真っ直ぐに見る。
「直哉、僕たちはそんな安っぽい関係じゃないよ。お前に何か言われたぐらいでどうにもならないから。」
そう言って目隠しをずらす悟くん。
鋭い眼光がこちらを向いてる。
これ以上怒らせたら何されるかわからんな。
おーこわ。
「ごめんやで、悟くん。この通りや。堪忍してください。俺は悟くんと恋ちゃんの味方やし、安心してえな。」
「だって。恋、どうする?」
恋ちゃんの方を伺う悟くん。
何や、やっぱり恋ちゃんの方が強いんかいな。
あの五条悟が女の尻に敷かれてるやなんて。
まあでも、恋ちゃんやから仕方ないか。
「別にどうでもいい。一体何しに来たの?」
ああ、その目で俺を蔑んで!
もっと、もっと見下して!