第40章 縋る
僕の誕生日、クリスマス、そしてお正月と幸せな日々を過ごした。
恋とは前よりも深く愛し合ってる。
相思相愛。
身も心も恋のもの。
もちろん恋の身も心も僕のもの。
今日は3月14日。
ホワイトデー
バレンタインには手作りのガトーショコラをくれたんだ。
それと、もちろん恋ちゃんもいただきました。
ホワイトデーは高級ホテルのスイートへお泊まりと恋の好きなケーキ屋さんに特注したハートのケーキ。
「幸せ♡」
僕が頼んどいたエステを受けてお肌つやつやの恋。
「更に可愛くなったね。」
お風呂でたっぷりイチャイチャして、夜景を見ながらシャンパン飲んでると僕のスマホが鳴った。
「はい……」
「真希だけど。」
「ああ、真希か。どうした?」
「家を出る。」
「そうか……」
「今から。」
「ええ!?い、今から?」
「直哉もいないし丁度いい。当主にはさっき伝えた。」
「今どこ?」
「玄関。これから出る。」
「ハァ、わかった。」
電話を切り、恐る恐る恋を見る。
「恋!?」
今にも泣きそうな顔。
「マキちゃんって……だあれ?」
やばっ、そう言えば真希の事話してなかったっけ?
「真希っていうのは禪院家当主の姪にあたる子だよ。直哉の従姉妹。浮気とかじゃないから泣かないで。」
頭を撫でてやる。
「そのマキちゃんがどうしたの?」
必死に涙を堪えて聞いてきた。
「あの子は呪力が一般人並みの代わりに身体能力は一般人を遥かに超えてるの。」
「何かそういう奴、昔いたよね?」
伏黒甚爾の事言ってるんだな。
「まあ、アイツも禪院だからね。禪院家では甚爾や真希は蔑まれて使用人のような扱いを受けるんだ。」