第39章 ●縛る(夢主の場合)●
「どういたしまして。日下部まだかな?」
「もう着くってさっき連絡あったよ。」
その時インターホンが鳴り、日下部がやってきた。
「いい匂いだな。」
日下部が部屋へ入るなり言った。
「食べる?おにぎりまだあるよ。」
「いいのか?」
「どうぞ。」
硝子の隣に腰掛けておにぎりを食べる日下部。
「お茶でも淹れようか?」
「ああ、頼む。これ、恋が作ったの?」
おにぎりを頬張りながら日下部が言った。
「そうだよ。」
「へえ、美味いな。」
その後、3人で買い出しに出掛けた。
「硝子、タダ酒飲めるからってバカみたいに注文したら学長キレるよ。」
「大丈夫。余らせない様に全部飲めば買いすぎたって事にはならないから。」
「なるほど。」
そしてスーパーへ。
「日下部、これも持てる?」
大量の荷物を日下部に持たせる。
「ああ、全然余裕だ。」
「よかった、日下部に着いてきてもらって。」
「役に立つだろ?」
「うんっ!飴ちょーだい。」
「可愛いな、お前は。飴やるからケツ触らせろ。」
「いいよ。」
「お、お前……な、何言ってんの?」
狼狽える日下部。
「ほら、早くぅ。」
お尻を突き出す。
「本当にいいのか?」
「いいよ。」
日下部の手がゆっくりと伸びてくる。
そして、私のお尻に触れようとした瞬間、シャッター音が聞こえた。
「ハイ!アウトー!」
硝子の声。
「お、お前!何したんだ!?」
焦る日下部。
「実録、日下部痴漢の瞬間。学長が見たらどうなるだろうね。五条が見た日にはブチギレだろうし。」
「触ってねえぞ?」
「これ触ってるように見えるけど?」
硝子がスマホを見せる。
上手く撮れてる。
本当に触ってるみたい。
日下部は顔が写ってる。
私は向こう向いてるから誰だかわからない。