第39章 ●縛る(夢主の場合)●
最近、悟がいない夜は硝子の家に泊まるようになった。
高専に泊まると建人、猪野、日下部が来るから悟が嫌がって。
硝子もいるのに何かあるわけない。
わがままなんだから。
私はあなたと違って浮気なんかしないよ。
「わかった。後で行くよ。」
「建人はいないよ。」
「恋ちゃんは何でもお見通しだね。」
当たり前じゃん。
何年側にいると思ってんの?
「悟の事なら何だってわかるよ。」
「じゃあ、後でね。」
「うん。早く来てね。」
電話を切ってお酒をひと口飲んだ。
「五条今から来るの?」
硝子が言った。
「うん。早く来てって言ったんだけど眠くなってきた。」
目を擦る。
「いいじゃん、寝ちゃいなよ。五条が来たら担がせるよ。」
「それも、そうだね。」
そして私は目を閉じた。
「う……ん?」
目覚めると隣に悟がいた。
そしてここは悟の家のベッドの上。
ちゃんと運んできてくれたんだ。
そう思うとうれしくなって眠ってる悟の頬にチュッてした。
「おはよ……恋。」
悟が目を開けた。
「ごめん、起こしちゃった?」
「いいよ、可愛いから。」
ニヤつく悟。
「何でニヤついてるの?」
「寝てる時におっぱい揉んじゃったんだ。可愛かったよ。寝てるのにアンアン言っちゃって。」
何なの?このしたり顔。
「それで朝からこんなにしてるの?」
さっきから足に当たってる。
「いや、それは生理現象ってやつで。」
「まあいいや。今日何時から?」
「11時。あーあ、仮病使って休もっかなあ。」
悟は学長のお供で上層部の会合に出席する。
「ダメよ。学長に怒られちゃうもん。」
「だって他の奴らはみんな休みなのにぃ。」
拗ねる悟。
今日から高専は正月休み。
緊急以外の任務もなし。
だけど、悟の休みは明日から。
「よしよし。」
頭を撫でてあげる。