第39章 ●縛る(夢主の場合)●
部屋に戻ると3人分の朝ごはんが用意されていた。
「硝子、あんなヤツ追い出して正解だよ。」
「悟、知ってたの?」
「うん。夜中に出て行く気配がしたから。」
「一発食らわせてやったら泣いてたよ。」
硝子が淡々と言った。
「さすがだな。」
「うん。やるね。」
帰りにお土産を買う。
「硝子、伊地知に何か買ってってあげなよ。」
「何で?五条が買えばいいじゃん。」
「伊地知は硝子からもらうのが1番嬉しいと思うよ。」
「何だ、それ。じゃあ、伊地知には温泉饅頭を買って帰ろう。」
伊地知、がんば!
心の中で応援した。
「えーっ、七海にも買うのー?」
ゴネ始めた悟。
「そうだよ。日下部と猪野にもね。」
「何でアイツらまで?」
「悟がいない時、高専に泊まるとあの3人の誰か1人は必ず様子見に来てくれてたから。」
「僕はそれとなく見張れって頼んだのに。」
「まあまあ、どっちにしろ見張っててくれたんだから。3人とも地酒でいいんじゃない?」
結局、硝子は温泉饅頭と自分用の地酒を大量に買い込んでた。
ウチは悟が自分用の甘いお菓子大量に買い込んだ。
私たち3人の楽しいクリスマス旅行も終わりを迎えた。
いつか、硝子にも素敵な人が出来るといいんだけどな。