第4章 ●気になる●
ひと月後、俺と恋の2人での任務があった。
俺の仕切りで恋を裏に回らせた。
失敗だった。
一緒に行けば良かった。
強い呪力を察知して壁を壊しながら進むと、話し声が聞こえた。
エロいなぁ、早く僕とイイ事しようだとぉ?
それは俺も交ぜてもらわないと。
最後の壁を壊すと、恋はやっかいな呪霊に馬乗りになられていた。
すでに、左肩を出しており口の辺りは血で汚れていた。
確かにエロいかも。
喉元まで出かかったけど我慢した。
「何だ?お前。男はいらない、お姉さんだけでいい。」
よく喋る呪霊だ。
足の間から変なもん出しやがって。
とにかく喋って俺の方へ注意を向けさせた。
そして恋を避けさせて祓った。
やっぱ俺最強だわ。
「すごい!」
恋が褒めてくれた。
こういう感じが久しぶり過ぎてちょっと嬉しかった。
照れ隠しのため、恋抱き上げた。
抱き上げた瞬間、左胸に目がいく。
白い肌に這う紅い蛇、チラリと見える黒いチューブトップ。
ヤベェ、エロい。
戸惑う恋に言った。
「イケナイ事しそびれちゃったからこのぐらいさせてよ。」
言ってから後悔した。
俺はなんてことを言ってるんだ。
恋を抱いて車の方へ歩いていく。
すると、コイツの心臓の鼓動が俺にも伝わってきた。
緊張してるのかと思うとこっちまで恥ずかしくなる。
「心臓バクバクじゃん。七海には黙っといてあげるよ。俺に抱かれてドキドキしてたこと。」
耳元で囁いてやった。
すると、顔を赤くして言い返して来た。
「あんまりイジメないでよ。」
イジメないでって…
その言葉に俺の息子が反応した。
ヤバッ、こんなとこで。
煽るんじゃないよ。
「ふうん。そう来たか。お前、結構煽るよね。」
精一杯強がってみた。
恋を車に乗せた後は何も話せなかった。
アイツを見ないようにするため、わざと助手席に乗った。
とにかく恋以外の事を考えていた。
傑の事とか、スイーツの事とか。
高専に着いてからすぐに車を降りてトイレに駆け込む。