第38章 ●縛る●
「似合うよ可愛いね。これ、ありがとうね。」
恋がくれるものなら何だって嬉しいよ。
「これ巻いてお出かけしよう、悟。」
ニコッと笑う恋。
「もうっ、可愛い事言ってくれちゃって。僕からもプレゼントあるんだ。」
僕も荷物を漁って小さな紙袋を出した。
「うわ、袋からして高そう。」
「どうぞ、サンタさん。」
紙袋から箱を出して開けてみせた。
「うわぁ、超高級ブランドのピアスだ。綺麗……これ、ダイヤ?」
「そうだよ。つけてやろうか?」
「うん。」
嬉しそう。
目がキラキラしてる。
「ピアス着ける前にきれーにしようねー。」
耳たぶを舐めてあげた。
「ンッ、余計汚くなりそう。」
「ひどーい。悟くんの唾で殺菌してあげたのに。」
「早くつけて。」
「かしこまりました、お嬢様。」
言われた通りつけてあげた。
「うん!可愛い、似合ってるよ。」
洗面所に走って鏡を見る恋。
「何か、分不相応じゃない?」
「大丈夫だよ、恋。おいで。」
両手を広げると勢いよく飛び込んでくる可愛いサンタさん。
しっかり抱きしめた。
「また縛っちゃってもいい?」
耳元で囁く。
「ダメ。今度は私が縛ってあげる。」
いつの間にか手に持った目隠しをヒラヒラさせる恋。
「いいよ、縛って。」
僕はもう恋のものだよ。