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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第34章 嬲る


「俺が不甲斐ないばっかりに……」

落ち込む猪野くん。

彼が密かに恋に想いを寄せていた事には以前から気がついていた。

守れなかった事で落ち込んでいるのだろう。



学長の意向で龍家にはまだ知らせていない。

和之進さんが帰った今、龍家がどう動くか私でも予想がつかない。

それに、恋が知らせる事を望んでいない可能性が高いから。

前回の事も恋の強い希望で知らせていない。

でも、あの大ババ様の事だ。

何処かから情報を入手している事も十分考えられる。


とにかく事態が動き出すまではどこにも知られないよう、学長の判断で知っている人間を最小限に留めた。



それから約3時間後、高専に電話がかかってきた。

「はい、呪術高専。」

「あ、その声は夜蛾先生ですか?」

「傑か?」

「はい、お久しぶりですね。悟いますか?まあ、どうせスピーカーでみんな聞いてるんでしょうけど。」

「おい!傑、恋はどこだ?」

「悟、久しぶりだね。どうだい?恋を取り戻した感想は。手伝ってあげたんだからお礼の言葉くらい欲しいね。」

「お前に手伝ってもらったからじゃなく、なるべくしてなったんだよ。」

「君もなかなか言うねえ。」

「恋!僕だよ!そこにいるの!?」

大声で叫ぶ五条さん。

「悟、私は大丈夫だから落ち着いて。」

恋の声が聞こえた。

「恋!すぐ助けに行くから、頑張れよ。」

「うん。ありがと、悟。」 

元気そうな声だ。

「心配しなくても恋は元気だよ、悟。元気が良すぎて肩は脱臼させられるわ、指の骨はおられるわ、歯も何本かとあばらも数本やってくれたよ。」

「ごめんね、夏油。」

恋が謝る声が聞こえた。
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