第4章 ●気になる●
「ねぇねぇ、おねえさぁん、ボクとイイ事しなぁい?」
「イイ事ってなぁに?」
聞きながら制服のボタンを外す。
「イイ事って言えば気持ちイイ事に決まってるじゃん。」
そう言うと呪霊の足の間からニョキッと何かが生えてきた。
「これをお姉さんに気持ちよくして欲しいんだよ。エロいお姉さん、早くぅ。」
呪霊がゆっくりと近づいてくる。
私は左肩を出して蛇を呼ぶ。
後はいつもの通り…のハズだった。
「こんなもんでこの僕がやられると思ってたの?」
蛇の攻撃が通用せず、私は呪霊に叩きのめされた。
「ウッ、ハッ、ハァ。」
血を吐きうめく私。
「お姉さん、欲情してるの?エロいなぁ。早く僕とイイ事しようよぉ。」
呪霊は私の上に跨ろうとしている。
「や、めて。」
その時、保健室の壁がすごい音と共に崩れ落ちた。
「おっとぉ、間に合った?俺もイイ事したいなぁ、交ぜてよぉ。」
壁を蹴破り、五条が現れた。
「何だ?お前。男はいらない、お姉さんだけでいい。」
呪霊は私から離れ、五条に近づいた。
「だから、3Pじゃダメ?」
五条はサングラスを外した。
「3P?なに?それ。」
「恋、ちょっと窓の方に避けて。」
「わ、わかった。」
五条の言葉通り、私は窓の方へと転がった。
「せっかく3人でイケナイ事しようと思ったのにぃ。しょうがない、お姉さんと2人でしようっと……術式順転 蒼。」
「く、くそっ!わ、や、やめろぉー。」
「すごい。」
初めて目の当たりにした五条の術に驚嘆していた。
「ふぅ。大丈夫?恋。」
「うん…大丈夫。ちょっと血吐いちゃったけど平気。骨とかは折れてないし、って、エッ!?」
起きあがろうとした時、彼が私の体を抱え上げた。
「イケナイ事しそびれちゃったから、このぐらいさせてよ。」
ニカッと笑う五条。
「ごめん、ちょっと意味わかんない。」
そうは言ったものの、内心とてもドキドキしてた。
「心臓、バクバクじゃん。七海には黙っといてあげるよ。俺に抱かれてドキドキしてるってこと。」
耳元で囁かれた。
もう、心臓バクバクどころか恥ずかしくて顔が熱い。
「あんまり、イジメないでよ。」
精一杯強がってみる。
「ふぅん、そう来たか。お前、結構煽るね。よいしょっと。」
「ありがと。」