第33章 ●観念する●
「私、一生独身でもいい。」
「僕も、お前以外の女とは結婚しない。」
「悟はダメでしょ?後継ぎ作らなきゃ。」
「僕の子供に僕みたいなのが生まれる可能性は低いよ。だって数百年に一度の確率だよ?僕みたいなのはそうそう生まれるもんじゃないの。もし、僕が一生独身なら五条家は血筋の誰かに継がせるよ。術式継いでるだけのヤツなら他にも大勢いるから。」
「そう……なんだ。」
「御三家の当主なんて本妻以外に側室いるの当たり前だし、当主以外の男だって外で女囲うのなんて当たり前の世界だからね。みんな術式残す為に子供作りまくりなんだよ。だから、当主候補なんてわんさかいるって事。」
「悟……っもそうするの?だから……っ、色んな女とヤッてるの?」
一度止まってた涙がまた溢れ出た。
「違うよ!僕は恋一筋。もう、浮気しないから。恋じゃないと勃たないし。」
「嘘ばっか。」
「本当だよ。昨夜言ったこと覚えてないんだね。だから紐パンなの。あれ穿いたところ写真撮っておかずにしようと思って。」
「そう言えば昨夜そんな事言ってたような気がする。」
すると悟は私から離れ、その場に膝をつき土下座した。
「恋、本当にごめん。この通り、許してください!それから、僕とまた付き合ってください!」
額を床に押し付ける悟。
「ヤダ!やめてよ!」
「OKしてくれるまでやめない。」
わがままなんだから。
膝をつき、悟と目を合わせる。
「もう……わかった。私でよければ喜んで。」
「ありがとう、おいで。」
あぐらをかき、両手を広げる悟。
近づくとひょいと持ち上げられ、足の間に座らされる。
「悟、あったかいね。」
「寒いの?」
「ううん、平気。」
「実はさあ、恋に着せたいものがまだあるんだ。」
「ハァ?」
「いきなり全部渡したらひかれると思って。」
「もう十分ひいてるけど。」
「昨夜はあの紐パン穿いてくれたのに。」