第32章 ●逸る●
「はーい!」
立ち上がり、後ろを向いて待つ。
まだ見てないのにもう元気になってきてる。
「まだ?」
「もう少し………はい、出来た。」
「いい?」
「うん。」
ゆっくり後ろを振り返る。
「アレ?まだ服着てるじゃん。」
「だって……恥ずかしいもん。」
恥ずかしがる恋。
「おいで。」
ソファに座って恋を呼ぶ。
「うん。」
黒いタイツを脱いだ、艶かしい白い足がこちらへ近づいてくる。
テーブルの前まで来ると、僕のグラスに残っていたワインを一気に飲み干した。
「ここに向こう向きで膝立ちしてよ。」
「うん。」
酔っ払ってるせいか素直な恋。
言われた通りソファに膝をつき、背もたれひ手をつく恋。
「お尻突き出して。」
「こう?」
「いいね。服めくってみて。」
左手でワンピースの裾をゆっくりと持ち上げる。
太ももが露わになり、段々と上へ。
そしてお尻が見えはじめ、黒い布が見えた。
「どう?」
黒い紐パン。
お尻はもちろんTバック。
「エロい、可愛い、最高。」
「あのさあ、私もう可愛いって歳じゃないんだよ?」
僕の方を向き、不貞腐れたような表情で話す恋。
「昔からぜんっぜん変わんないんだよ。むしろ若返ったぐらい。恋って若い時老けてただろ?だから、歳が追い越したみたいな。」
「褒めてるのかけなしてるのかわからないんだけど。」
唇を尖らせる恋。
「そんな顔するなよ。我慢できなくなるだろ?」
「だって……」
「もっとお尻突き出して。」
「こう?」
ワンピースを腰までめくり、お尻を突き出す恋。
紐パンのサイドはリボン結びになってる。
この紐を引っ張りたい衝動に駆られる。
「いいよ。エッチな子だね。」
「悟がさせてるんでしょ?」
案外乗り気なくせに。
「お尻触りたいな。」