第31章 涙する
起こさないように静かに部屋を出て帰宅した。
そして、現在に至る。
「今日の授業は体術でーす!」
悟は放っておいて授業を始める。
「恋先生!五条先生とより戻したんですか?」
生徒の1人に質問された。
「ちょっと、何言ってんの?」
「だって先生、七海さんと別れたんでしょ?五条先生が言ってましたよ。七海と別れて自分のところに帰ってきたって。」
「ちょっと!五条先生!?」
悟は武道場の隅で居眠りしてた。
「ん?何?」
「生徒に嘘言わないで。」
「いずれそうなるんだからいいじゃん。」
コイツ、何言ってんだろ?
その時、私の中で何がが切れる音がした。
「とりあえず見本見せるから、五条先生相手して。」
「はーい!喜んで!何の技?」
「ひ・み・つ♡」
「秘密なの?楽しみ。」
私の正面でニヤニヤしながら立ってる悟。
「みんな、よーく見ててね。」
勢いをつけて飛び上がり、悟の首に右足を回す。
「ワォ!下着見えそう!」
「これ、ロングスカートに見えるけど実はパンツ。だから中は見えませーん。」
「でもいいや、太ももやらかいから。」
悟の首に足をかけてぶら下がったまま説明を続ける。
「この状態で左足も巻き付けてモモに力を入れて絞めまーす。」
説明した通りにする。
「おい、ちょっと本気で絞めんな。」
「思い知れ!クズ男!」
「ギブ、ギブ!」
手で私の足を緩めようとする悟。
だけどそんな事はさせない。
髪の毛を掴んで下に向けて引っ張ってやる。
「いたたたたた!」
倒れ込む悟。
私が頭を打たないように後頭部に手を当ててくれる。
本当、私には優しいんだから。
「倒れると絞めやすいでーす。」
更に力を入れて絞めた。
「恋先生!五条先生落ちてますよ!」
近くにいた生徒が叫ぶ。
そういえば私の足を掴んでた手が外れていた。
力を緩め、サングラスをズラすと白眼を剥いてる悟。