第30章 ●慮る●
「ええっ!それだけはやめて下さい!」
「じゃあ、話して。」
「でも、酔っ払っててあんまり覚えてないんです。えーっと確か鬼ババアがどうとかって。」
「鬼ババア?龍家のばあさんの事かな?」
「多分そうだと思います。自由に生きたいけど鬼ババアが許してくれない……みたいな事を話してました。」
「それと家入さんが好きなら寝る、嫌いなら別れるって言ってました。」
「硝子の言いそうな事だ。」
この話を聞いて何となくわかった気がした。
「伊地知、ちょっと寄り道するよ。」
「どこにですか?」
「龍家。普通に走ってても結界で辿り着けないから僕の言う通り走って。」
伊地知に行き方を教えて龍家に着いた。
「五条のガキよ。久しいのう。」
「おばあちゃん、ひ孫の恋路邪魔しちゃダメじゃない。」
「お主の自業自得じゃろうが。お主と言い、七海のガキといい、全くもってけしからん。」
「七海の事まで知ってるの?恋から聞いたの?」
「あの子は何も言って来んよ。」
「じゃあ、高専にスパイでもいんの?」
「わしをだれじゃと思うとる?お主、恋にバレてないが他にも女がおろう。」
「え?何言ってんの?」
「とぼけても無駄じゃ、調べはついとる。恋にバレた女意外に確か10人ほどおったかの。」
「違うよおばあちゃん、8人だよ。」
「ほう、そんなにおったのか。」
「まさか、カマかけた?」
「こんな手に引っかかっるとは間抜けじゃな、五条悟よ。それらの女とは手を切ったのか?」
「とっくに切れてるよ。ほとんど一回だけだし。」
「このクソガキが!こんな事になるとわかっとったから遊びにしておけと言ったんじゃ。」
「どういう事?」
「恋に言っておいたんじゃ。五条のガキとは遊びにしておけとな。」
「そんな……」