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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第30章 ●慮る●


「きな粉ついてる。」

「えっ?どこ?」

「ここ。」

そう言いながら指で口もとを拭ってやる。

「取れたよ。」

「ありがと。」

舐めるのはやめといてあげた。

泣き顔は見たくないから。


「さて、と。僕はそろそろ仕事に行かなきゃ。仕事っていうか会議だけど。」

「行ってらっしゃい。」

「何か素っ気ないね。」

「気のせいじゃない?」

そう言ってまたおはぎを頬張る恋。

「食べ過ぎて腹壊すなよ。」

「えへっ。」

「可愛いね。」

「早く行かないと学長キレるよ。」

「ヤバッ、じゃあな。」

おはぎを頬張る恋のほっぺにチュッとキスをした。

「ちょっ……何するの!」

「ほっぺにあんこついてた。」

去り際にそう言ったけど、それは嘘。



その日の夜、七海を呼び出した。

「お前、自分が何やったかわかってんだろうな。」

「はい……わかっています。」

暗い顔で頭を下げる七海。

本当は殴るつもりだったけど、殴る気が失せた。

「返してもらうよ。」

そう言ってから七海に背を向け歩き始めた。

「五条さん!恋の事、頼みます。」

後ろから七海が叫んだ。


言われなくてもわかってるよ。


その足で恋のマンションへ行った。

六眼で恋の部屋の窓を見る。

灯りが消えてる。


おはぎ食って腹一杯になって寝ちゃったんだな。
 

そのまま自分の家に帰った。



次の日、任務のため伊地知と出かけた。

「伊地知、お前知ってたの?恋が七海にフラれたこと。」

無事に任務を終え、高専に帰る車の中で聞いた。

「ええっとー、そう言えば飲んでる時に言ってたような……でも、家入さんがここで聞いた話は誰にも言うなって。」

「他にもあんの?聞いた事。」

「へっ!?い、いえ、何もありませんよ。」

「言わないと硝子にチクるよ。お前が風俗の女の子に貢いでた事。」
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