第27章 決する(五条の場合)
僕は本当に恋が好きだ。
何事も真面目に取り組むところ。
眠くなると可愛く甘えてくるところ。
キレると言葉遣いが荒くなるところ。
いつも僕の事を気にかけてくれるところ。
色白な肌や細くしなやかな指、小ちゃい背丈に似合わない大きめのお尻、ツンと上向いた小ぶりのおっぱい、少し猫っ毛な髪に一重で切長な目、可愛い鼻、小さな唇、敏感な耳も。
恋の全てが愛おしい。
全部好きだ。
何が、よき親友だよ。
恋が幸せならそれでいい?
それじゃダメだ。
僕が恋を幸せにするんだ!!
親友じゃ触れられないしキスも出来ないだろ。
恋に触れたい。
抱きしめたい。
七海に渡しちゃダメだったんだ。
恋、戻って来てよ。
恋、僕のそばにいてくれよ。
「はあ、何やってんだろ。」
「五条くん、お悩みのようだねえ。私に話してみなさい。」
酒瓶片手に硝子が近づいてくる。
「恋、戻って来てくれないかなあ。」
「そんなに好きなら何で手放した?」
「お前が七海とくっつけようとしたんだろ?」
硝子を睨む。
「諦めて親友になると決めたのアンタだろ?」
「だから後悔してるんだよ。」
「まあ、飲みなさい!」
恋と別れてからしょっちゅうこんな調子で硝子や伊地知を誘って飲んでる。
「ごじょーさーん、何で龍さんを捨てちゃったんですかあ?」
酔っ払った伊地知が絡んでくる。
「うるさいよ、伊地知。後でマジビンタ。」
恋の事を思わない日はない。
飲んでる時も、夜寝る前も夢の中も、朝起きた時も授業の時も任務の時も。
僕の頭の中は愛しい人で一杯だ。