第26章 ●決する●
「ありがと建人。私もあなたが好き。」
「では、付き合っていただけますか?」
「はい。」
「はあ、よかった。断られたらどうしようかと……」
建人がため息を漏らした。
「建人、可愛い。」
「可愛いのはあなたです。」
この人の幸せそうな顔、好きだな。
「さてと、ご飯作るね。」
「待って、キスだけ。」
腕を引かれ、キスされた。
優しいキス。
こんなキス、この人にしか出来ないなぁ。
腰に手を回され、深くなる口付け。
しっかりホールドされて離れない。
この人を愛そう。
まだ始まったばかりだから何もわからない。
だけど、この人となら心穏やかに過ごせそう。
「先にあなたを食べてもいいですか?」
「いいよ。食べて。」
「では、いただきます。」
優しさで満たされた夜だった。