第26章 ●決する●
「んっ?あれ?どうしたの?」
目を開けると建人がいた。
「恋がクッキー食べ過ぎて臨月の妊婦のように膨らんで動けないから来いって言われたんです。五条さんに。」
横目でチラリと悟を見る建人。
「ああ、そうだ。何かすごいストレスで。甘いもの一気喰いしたかったの。そしたらクッキー出て来たから。えへっ………じゃない、何が臨月の妊婦のように膨らんでるよっ!悟のバカ!」
悟を睨む。
「ごめんね、恋ちゃん。七海、コイツこの後、酢昆布食べたいってゴネるから買ってやって。」
悟が言った。
「わかりました。五条さん。」
「ちょっと悟!それじゃあまるで私がわがままな子供みたいじゃない。」
甘いものの後に酢昆布食べるのが最近、私の中でハマってる。
「さあ、立てますか?酢昆布買いに行きましょう。」
建人が私の手を取った。
優しく微笑む建人の顔見てたらさっきまでの悲しい気持ちはどこかへ行っちゃった。
「うんっ。」
建人に引っ張ってもらい体を起こした。
それを悟がジッと見てる事に気が付いたけど、見て見ないふりをした。
「じゃあね、ありがと。硝子も悟も飲みすぎちゃダメよ。」
「わかってる。」
お酒の瓶を片手に持った硝子が言った。
「恋もあんまり食い過ぎんなよ。太ると七海に嫌われるぞ。」
「悟はうるさい。」
「太った恋も好きです。では、お二人とも、失礼します。」
建人と手を繋いで歩く。
「建人、ご飯まだでしょ?うち寄って。何か作るから。」
「ありがとう。」
「スーパー行かなきゃ。」
「酢昆布も買いましょうね。」
「うん。」
買い物をして
家に帰り、ご飯を作る。
「エプロン姿久しぶりに見ました。」
建人は私の後ろに立ってる。
「あの…そこにいられると気が散るんだけど。」
「あなたの近くにいたくて。」
野菜を洗っていると、後ろから抱きしめられた