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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第26章 ●決する●


この温もりが好きだった。


触れられるたび、愛していると思った。


終わりが来る事を知っていたから、貪欲に求めてきた。


求めて、ただひたすらに愛した。


そして今、終焉を迎えた。


こうするしかない。

 
自分に言い聞かせる。


悟に言えば無理を通すから。


私たちが一緒になる事で呪術界の均衡がくずれるかもしれない。


誰かを踏み台にして得た物なんて幸せとは言えない。


「あなたを……愛してた。」



愛、してた……



いい。



いいんだ。



過去形で。



過去のものにしていこう。



こうしてどんどん過去形にしていこう。



この人への想いを手放せるまで。



「僕もずっと愛してたよ。」



「……っ、ごめんね、悟。今までありがとう。私は、あなたの側にいられてとても幸せでした。」



言えた。


「恋……どうしても別れたいの?」



泣きじゃくる私の頭を撫でてくれる。



「もう……無理なの。」



胸が張り裂けそう。



「前に七海の胸に飛び込むって言ってたよな。」

「……うん。」

「アイツにも、今度やったら奪うって言われてたのに、僕はバカだね。」

「……っ、ごめんね。悟のそばにいるのが……疲れちゃった。ほん、っとに……ごめん。」


キツく抱きしめられる。


この人が好きで、この人のために生きてきた。


この人の夢を自分の夢にして。


「ごめんな。こんな事になるなんて。全部僕のせいだ。恋は悪くないからね。」

「ありがとう。私を好きになってくれて。」

「こちらこそ。僕なんかとこんなに長く一緒にいてくれてありがとう。」


そんな事言われたら、泣いちゃうじゃん。


「でもさあ、エッチは大丈夫?僕との相性最高だったでしょ?忘れられるの?」

「ハァ?な、何言ってんの?そんなの頑張って忘れるに決まってんでしょ。」
 

呆れて体を離した。


まったく、コイツは。


おかげで涙が止まっちゃった。
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