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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第3章 ●愛する●


彼女は何事もなかったかの様にそそくさとどこかへ向かった。

あっちは確かバスルームがあるハズだ。


私はいてもたっても居られず、和之進さんの部屋へと入った。

「和之進さん。」

部屋へ入ると、上半身裸の彼はベッドのヘリに座って両肘を膝の上に付き、下を向いていた。

「建人?どうした?」

彼は不思議そうな顔でこちらを見ていた。
改めて部屋をよくみると、ベッドはぐちゃぐちゃになっていて、使った後のティッシュが丸めてその辺りに捨てられていた。

「あんた、恋に何をしたんです?」

怒りで手が震えたのでギュッと握り拳を作った。

「な、何も……わ、悪かった。」

彼は初めは否定したがすぐに認めた。
認めてほしくはなかった。
否定して欲しかった。


「どう言うことか説明してもらえますか?」

私は腕を組んだ。
すると、彼はことの顛末を話してくれた。

「要するに、酔っ払って藍さんと間違えたと?」

私は初めて人を殴りたいと思った。

「ああ、目が覚めて驚いたよ。」

彼はすっかり項垂れている。

「知ってました?恋は子供の頃からあなたが好きだったんですよ。」

それを聞いた彼は驚きの表情を見せた。

「まさか、あいつが?俺の事を?俺はてっきりあいつはお前が好きなんだと思ってた。すまない、全部俺が悪い。建人、助けてくれ頼むこの通りだ。」

和之進さんは床に座り込み土下座した。

「何をどう助けるんです?」

「あいつを。恋の事を助けてやってほしいんだ。あいつを支えてやって欲しい。お前にしか頼めない。」

「もちろん、そんな事は言われなくたってわかってますけど、そこまで言うなら条件があります。今後一切、彼女に触れないでいただきたい。そして、彼女に嫌われてください。」

「わかった。そうするよ。」



その後、彼女はまた私の腕の中で泣いた。
このまま閉じ込めてしまいたい衝動に駆られた。
だが、グッと堪える。
だけど、さすがにさっきの事がある。
だからあの男と同じ事はしたくない。

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